ソレイユストーリー
▽▲▽▲▽ ソレイユストーリー ▽▲▽▲▽

2002年03月31日(日) 考えていないようで悩む男

「なぁ、無人島に一つだけ持っていくとしたら、何にする?」

「なあにそれ、心理テストかなんか?」

「…いやべつに」

「そ〜ねぇ、、、お布団かなぁ」

「ふ〜ん。ボクは断然、歯ブラシだねっ!」

「地味ぃ〜」

「だって虫歯んなったらスゲ痛いじゃん。
 生きてるのイヤんなるくらい辛いじゃん!」

「どっちかてえとお布団のが役に立つよ。
 夜冷え込んだら寝られないよっ」

「そんなのバナナの葉っぱで充分だよ」

「北の方の島だったらバナナは生えてないないわよ」

「無人島つったら南の島に決まってるだろう」

「そうかなあ。。。アリューシャン列島の、鳴きウサギしか住んでない、
 小島かもしれないわよーー」

「屁理屈いうな!」

「無人島がどこもホカホカのヌクヌクとは限んないでしょう?」

「はいはい・・・そうですねぇ」

「だからワタシはお布団持っていくの」

「寒くて風邪ひくのと、虫歯で痛いのどっちがイヤかなぁ」

「虫歯で死んだ人なんて聞いた事ないし。
 風邪は万病の元よぉ〜」

「だよなあ…うん」

「あっ! 今、物凄いこと発見しちゃったんだけどぉ!」

「・・・あ?」

「無人島に自分がいったら、もうそこは『無人島』じゃなくなるでしょ。
 だから『無人島に住みたい』っていうのは矛盾なのよ。」

「んじゃあ、無人島には誰も住めないわけだな。」

「そのと〜りさ!」

「・・・・・・」

「なにさその顔は?」

「でも、それもきっと屁理屈なんじゃないかな」

「いやいや、世紀の大発見よぅ!!」

「…そうかなァ…」

「あんたはそうやって考えすぎるから〜」

「無人島に住んだら無人島じゃなくなる。うん。
 でも自分が行く前は確かに無人島なわけで…」

「歯ブラシはどうでもよくなったのかい?」

「うーーん、この問題はきっと物理学の落とし穴なんだよ」

「お〜いぃ」

「ちょっと静かにしてよ。図式にして考え直すから」

「どっちが理屈っぽいんだか……」






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