夢袋。
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古い、窓の枠がまだ木枠の、薄暗い学校。
わたしは生徒のひとりで、今日は日直。
その授業はお弁当の底に絵を印刷する授業のようで
日直はお弁当を準備しなくてはならない。
わたしは日直というのにお弁当を作り忘れたのだが
もうひとりの日直の高橋さんというおかっぱの大柄の女の子が
たくさん作ってきたというので助かる。
彼女の持参してきたお弁当は
角の丸い、いかにもお弁当といった形なのだが
幅が1メートルくらいあり、
しきりが5箇所に分けられていた。
おかずはお母さんのお手製という、全体的に茶色いもの。
日直は先生のお弁当を作る当番でもあり
その高橋さんの大きなお弁当からすこしずつ頂いて
先生の分の茶色いお弁当もできた。
始業ベルより早くきた先生はさっそく教壇でつつきはじめる。
「なんか、全体的にしょうゆ味だな」と
つぶやいているが、ひとの作ったものに文句いわないでほしい、とか
思いながら、黒板の掃除をする。
黒板にはものすごくたくさんのマグネットがあり
丸いものはほとんどなく、みんな消しゴムがちぎれてできたような形。
なんとなく色別にわけようと端に寄せていると
中に本物のベーコンの切れ端があって
「ぐわ」とおどろく。
ベーコンではあるが難なく黒板にくっついているので
それはおよそピンク、のあたりにくっつけておく。
誰かが用意してきた図版が黒板に貼ると非常に小さかったので
その図版をシーツをたたむように高橋さんとふたりで持ち、
お互いひっぱるとするすると伸びて「拡大」が自由にできた。
ただ、一度拡大した図版は「縮小」はできないようで
黒板からちょっとはみでてしまった。
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