│←終りの無い執行猶予の空。→│
野放しにされているけれど、 動き回りたくて。 常に欲求不満で。 食欲も性欲も自損したい気持ちも、抑え切れないでいる。 そうして、その戦闘機は大きな音とともに、私の上を通過する。 「今、此処で私を撃って。」 「撃ち殺せばよかったのに…」 そんな言葉が、ナカで、こだまする。欲求を満たしきれない自分を 恨めしく思う。 ふとした瞬間。不意に、仕事仲間の顔を思い出す。 みんな一緒。舞台裏では、闇に見舞われていたことも。 真夜中に目が覚めて、彼女達のことを考え出すと、もう、眠ってなどいられなくなる。 酔った客のニオイが、部屋中に充満し始めるようだ。
私が「死んでいる」と判断しても、自分は生きている。 気分が地球の底まで落ちようとも、私の心臓は焼け焦げることなく、身体中に血液を送り続ける。 誰が止めようと、かまやしない。 私がココニイル価値は無くて。 そんな事、わかってる。昔から、私に価値なんて無いから。 静かにゆっくりとドアを開けて こころを求め合い ながら。 でも誰も、私のこころを満たしてくれなかった。
血で朱く錆びた武器で、撃ち落せばいいだけ、 何も無い空を悠々自適に飛び続ける・贅沢と疲労の戦闘機を。 そう、ほら、簡単よ。一気に引き金を引くの。§2003年10月04日(土)§ |