│←嘘が罪なら、アタシは生きてゆけない・→│
タフでなければ生きられない。
やさしくなければ生きる資格が無い(プレイバック) 。。。。
アタシのやりたいことは何ですか。 今、無性に食べたいものはなんですか。 珠恵が、廃人になったというのは、真実。 しかしながら、廃人になりながらも、また、本を読み漁っている。 何がしたいのかさえ判らぬこの欲にまみれた世界に生まれて、 生かされ続けている。幸運にも、生まれたときすぐに死にはしなくて。
頭が、パンクしかけてる。みんな。 アタシの頭は、そんな気配さえも見せない。 アタシがワンコォルをすれば心配のメィルを送ってきてくれる人だって居る。 あの人の頭はパンクしている。
卑しいボタン↓
タダ、なにも考えられないだけだ。 あたしの頭がパンクしない理由は、情報に囲まれすぎている所為だ。 何を言われようと、このからだが動かなくなるまで生き続けよう。 走り続ければいいのだ。 道の脇にドリンクは置かれていないけれど。 走り続けるんだ。アタシ。
水槽
夜が明るすぎるという理由で
街灯が取り払われた 僕の街は
ときどき、海の底になる
条件は、新月と曇り空。
そして今夜は その日だ。
僕はサイダアの瓶を持って 真夜中に家を出る
目のない魚のような人々とすれ違いながら
創世記以前の街を歩く
目指すのは 厚い雲の遠くのほう
網のように ぼんわり青白く揺らめいている
(それは水面の光を思わせる)
空の下
たどりついたのは まっくらなショーウィンドウ、
発光源は 無数のテレビに映るくらげだった。
ブラウン管のひとつひとつに 一匹のくらげがいて
絶えず 水流が作られているらしい、
その力で くらげは泳ぎつづけている。
機械音も波音もきこえないので
(ガラスで遮断されているせいかもしれない)
ブラウン管の向こうが 海なのか
ただの水槽なのか わからない。
隅の いちばん小さなテレビのなかにいる
くらげの光はずいぶん弱く、今にも消えそうだった
僕は少し迷って ポケットからペンライトを取りだし
まっすぐに そのくらげを照らしてみた
すると くらげは光に飛びつき、
端から ちゅうちゅう飲みはじめた
くらげの体内の 管という管に光がゆきわたってゆく、
(僕は震える手で光を固定させるのに苦労した)
ひとしきり飲みこむと くらげは強く光りはじめた
その光に 他のくらげがざわついたので
僕はペンライトで順番に照らすはめになった
くらげが細い光を飲みこんでゆく というより
僕が彼らに光を注入している
全てのくらげが発光すると
僕の身体はクリスマスのように照りかえし
雲に映った光の網は ひときわくっきり浮かびあがった
その時 くらげが一斉に触手を伸ばした
ブラウン管がはちきれそうになり 僕は後ずさる
そして空に 巨大なひとつの目が現れているのに気づいた
おばけいかだ!
光の網にかかったおばけいかは もがいて墨を吐きちらす
くらげの光は一瞬にしてまっくろに塗られ
(同時に網も破られた)
おばけいかは 再び闇に消えた
光のひとつも失くなった海の底に ひとり残された
僕は ショーウィンドウに寄りかかる、
いざとなれば ガラスを割れば脱出できる。
僕はサイダアの瓶を開け
少しずつ口に含み、泡のなかの空気を吸う。
舌のうえで空気を転がしながら
手の甲でガラスを叩く、
とん・とん・とん・つー・つー・つー・とん・とん・とん。
これを飲みおえたら
君に手紙を書こう、そして
瓶に入れて ここに沈めてゆこう。§2003年02月06日(木)§ |