Juliet's Diary
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どういう事情か知らないが、我社に飲料水の自動販売機がやってきた。 会社が入っているビルには、1Fに管理会社が設置した自販機がある。 外に出ればたくさんの自販機もあるし、コンビにもある。
”絶対、JTですよ!”
総務から回ってきたアンケートには、各メーカーの写真があり、 その横にハンコを押す仕組みになっている。 JT欄には、たっくんのハンコが押してある。 JTのコーヒーはおいしい、と、各方面にアッピールしているようだが、 残念ながらJT欄はたっくんと他1名であり、最下位独走中だった。
ちなみにわたしは、無難ではあるが、アサヒ飲料にしておいた。 つよしんがサントリーのCMをしているとかは、関係がない。 単に自分の好きな飲料水を扱っているかが、問題なのだ。 こんなことで、タレントにこびるじゅりちゃんじゃない。 そして、決して、オダギリー・ジョーが、アサヒ飲料の若武者のCMを やっているからでもないことを、付け加えておこう。
そして決定したのが、サントリーとアサヒ飲料。 やはりメジャー処は強い。 更に、通常120円のところ90円であることも、我々社員を大いに興奮させた。 総務課の太っ腹なところに、社員一同、いや、本社社員一同、 大いに感謝し、そしてモロ手を挙げての、自販機歓迎だった。
しかしながら、じゅりちゃんは、知っている。そして多分、 他の社員でも、地方へ行く機会のある管理部門の人なら、知っている。 地方拠点では、既にこういう自販機が設置されていることを。
地方拠点のほとんどが辺鄙な場所にあり、タバコを買いに行くのも車。 当然、おっしゃれーなランチもなく、配達弁当。 そういう理由により、拠点施設内に、自販機を設置している。 取り残されていたのは本社くらいなのだが、お祭り騒ぎだったのだ。
上の階の総務・経理フロアーには、アサヒ飲料が設置された。 そして、じゅりちゃんのいるフロアーには、サントリーが来た。
”なんだこれ・・・・”
ウーロン茶やコーヒーに混ざり、ひとつだけヘンな飲料水が入っている。 その名は、”バブルマン”
バブルマン いきなりテーマソングが流れるので注意
”しらねぇな”それが、ほぼ、みんなの感想だった。
設置が完了後、電源が入り、中の飲料水が冷やされるまで、 我々の話題は、バブルマンで持ちきりだった。
いったいコレは、なんなのか? 紫色の缶の色からすると、グレープ味なのか? バブルという名称からして、炭酸飲料なのか? それは、ファンタとどう違うのか? そして最大のなぞは、どうしてサントリーの代理店さんが、 会社という大人しかいない空間に、どう考えても子供向けの商品を、 それも、コーヒーなどに混ざって、たった1缶だけ、入れていったのか?
”なんかさぁ、コマーシャル、見た気がするよ”
その発言をした社員に皆の驚愕の声。”見たことないよ”と、口々に言う。 しかし、である。じゅりちゃんも、見た気がする。 確か、めざましテレビでアンガールズの人がやってた気がする。
”一体何者なんだ! バブルマン!”
連休の合間とはいえ、ヒマすぎる。 そしてとうとう、飲料水が冷えただろうと思われる時間がやってきた。
”バブルマン!バブルマン!”
驚くなかれ。我社の本社自販機設置第一号の売上はバブルマンだったのだ。
”バブルマン!バブルマン!”
そしてその後も、恐ろしい勢いで売上を伸ばすバブルマン。 グレープフラッシュだの、ミクロシュワットだの、ビタミンビームだの、 得体の知れない宣伝文句に惑わされ、皆我を失っていた。 恐るべし、バブルマン。のっとられたぞ、我社。
”すっげぇ甘い!!”
あちこちでそんな声がする。 どうやらバブルマンの必殺ワザは、その甘さにあるらしい。
”昨日さ、ホームセンターに行ったら、向こうから来る子供の手に、 紫色の缶が握られていてさ。バブルマン?と思って、見ちゃったよ”
我社にバブルマンが来て以来、皆、紫色の缶に敏感になっている。
”やっぱり子供向けなんだよね。すげぇ甘いし。 飲み物欲しくて買ったのに、喉がかわいちゃうよ”
本当に、なぜ、自販機の代理店さんが、会社という空間に、 バブルマンをよこしたのかが、わからない。 また、それを許可した総務課の判断も、よくわからない。
”きっと、今、サントリーのイチオシなんだよ”
先日新発売を向かえ、この世に誕生したバブルマン。 他の定番商品に混ざり、ひとつだけ浮いているバブルマン。 おそらく今も、誰もいない暗いフロアーで、自販機の明かりの中、 ひとりだけ異色な光を、放っているのだろう。
しかし、あのようにバブルマンを買ってしまった我社は、 完全に、そのサントリーのワナに、はまっているということだ。 おそらくだが、現時点での売上No1は、バブルマンだ。
”あの会社は、バブルマンが好きなんだな、って、思われるだろうね”
あまりうれしくない称号だが、それでも。 最初の月間売上No1を目指して。
”バブルマン、買えよなっ!”
自販機の前で、どれにしようか選ぶ人に、他の社員から声が飛ぶ。 もうほとんどの人が、その甘さにノックアウトされたのに、 それでも、”あの会社はバブルマンが好き”と言われたいがために。
なぜ、その称号が欲しいのか? その明確な理由はわからないが、気持ち的にはなんとなく、わかる。
”あの会社はバブルマンが好き。あの会社はバブルマンが好き”
絶対、意味ないし。ウチ、飲料メーカーでもないし。取引先も関係ないし。
それでも売れ続ける、バブルマン。 多分、来月も我社にいてくれるだろうが、その次の月は微妙だ。
”あの会社はバブルマンが好き”
そういう称号は、やはりもらっておきたいと、思う。 つくづく、10年もいるとホネの髄まで社風に染まるな、と思います。
いや、同類だから、続けてくれたのかも、しれませんね。 そんなことを、バブルマンから、気がつかせてもらいました。 しかし、90円とはいえ、もうバブルマンを飲むのはイヤです。
追伸
そういうワケで、Aさん。いや、あきこさん。
一部では有名な、当社の20円コーヒー。 水がなくなると、たっくんや龍兄が、えっちらおっちら、 水補給をしていました、あのウワサの20円コーヒー。 ユニマットだかなんだかの、いわゆる給水機ですね。 あれは、総務課が契約を打ち切ってしまったようです。
そういうことなので、もうじゅりちゃんの会社を、 ”20円コーヒーのある会社ね”と言わないでください(泣)
追伸2
”えっ? 満杯にするの?”
給水を行うのは順番制で、龍兄の次が、たっくん。 どうやら龍兄は、給水を満杯にせず、半分くらいで、 次のたっくんに順番をまわしていたようです。
”どうりで、龍兄とオレの間の期間が、短いと思った!!”
半分しか入れていないなら、そりゃ普通より早く無くなるよね(笑) もうそんな内輪モメも、なくなりますな。
追伸3
バブルマンにのっとられる前は、我社は若武者で染まっていた。
じゅりちゃんの席はフロアーの奥の方で、出入口までけっこう遠い。 トレイに行こうとして、ふと見ると、若武者1人発見。
”あらっ! オダギリさんの出ている、若武者ね!”
じゅりちゃんは、ゴキゲンになった。 そして数歩進むと、別の営業マンの机の上に、若武者発見。 またまたゴキゲンで、数歩進むと、また若武者が・・・。
じゅりちゃんはトレイに到達するまで、けっこうな若武者を見た。 トレイに行くまでの机の数は、30くらい? その中で、合計数本の若武者を見た。トイレに行く、その時だけでだ。
ちょっとびっくりした。そして、トイレの横のゴミ置き場。 このフロアーに1個しかない、ペットボトル用ゴミ箱には、 埋め尽くすかのように、深い緑色の若武者が、投げ込まれていた。
びっくりした。そして、ついでで喫煙室に寄ったら、 若武者の特集の宣伝用冊子が、なぜか置いてあった。 R25とか、その類のものと、思われる。 当然、オダギリさんの写真を、速攻チェックした。
ひょっとしたら、我社はバブルマンに限らないのかもしれません。
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