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2005年01月18日(火) 巡査鉄兵の推理日誌(堺雅人)

2000/08/05のサスペンス劇場の再放送のようです。
当時、堺雅人、27歳、といったところでしょうか?

”犯人役かな? 殺されちゃうのかな? 死んじゃうのかな?”

わくわくしましたが、ものすごいチョイ役(笑)
主人公のおまわりさんの後輩で、総出演時間は全部で10分以下って感じ。
ほとんどアップもなく、役どころもちょっとおバカな後輩君。
テロップにだって、最初のメインどころの紹介には名前もなく、
最後に全員が出たときに、やっとお名前。それも役名なしで!

うーん。そうかぁ。そういうのも、あるんだなぁ。

正直、すまだけを見ていたら、気がつかなかった。
でも、すまのドラマでも、絶対、そういう役の人はいるはず。
そういう人がいなければ、ドラマはつくれない。


そうやって、人は這い上がって来るんだなぁ、です。
チョイ役でしたが、堺さんは丁寧に演じていたと思う。
新人おまわりさんらしく、少々頼りなさ気で、能天気っぽい。

だが、今だから気がつくが、当時見ていたとしても、絶対、記憶に残らない。
はっきり言って、絶対、絶対、わからない。
あんな少しの出演者、絶対、絶対、すっかりさっぱり、記憶の彼方だよ。
視聴者なんて、そんなものだ。冷たいようだが、目立つものしか、残らない。
多少でも記憶に残るには、できるだけ長い時間映っていた方がいい。

しかし、番組製作者は、違うのだろうな。
おもしろい新人はいないか? 使えそうなヤツはいないか?
常に、探して探して、次の人物を、物色している。
その人たちの目に留まるには、小さな仕事も、確実にこなさなければいけない。
今、ここにある目立たない役に、ベストをつくさなければいけない。


微妙に、複雑な気持ちだ。
堺さんは、そうやって、少しずつ、這い上がってきた。
それはそれで、すばらしいことだ。
だが、這い上がる人がいれば、転落する人もいる、ということ。

どの世界も厳しいな、と、思う。
見飽きた役者は干され、おもしろそうな新人に席を明け渡す。
つよしくんのことで、わかってはいたつもりだが、
自分がつよしくんに気がついた時は、既に彼は、主役を演じるまでになっていた。

だが堺さんは、違う。
知らなかったとはいえ、劇研の舞台を見ているし、
知り合いには、未だにそういう境遇の人もいる。

堺さんは、あそこから這い上がってきた。
そして、世の中まだ、堺雅人ってダレ? の方が多い。
つまり自分は、今、まさに、階段を駆け上がりつつある人を見るのは、
初めてだ、ということ。


わかってはいたけど、ちょっと怖い。
駆け上がる人がいれば、必ず落ちる人が出る。

堺さんもそうだし、そしてつよしくんも。

今のところ、テレビでの知名度で言えば、大分隔たりがあるが、
それでも、彼らの後ろには、何百、何千の堺雅人が控えている。


お調子者の役を演じていた、堺さん。
おそらく、出演料は、ものすごい安かったに、違いない。

這い上がるものと、追いかけられる者。
どちらにも、避けては通れぬ道。

仕事って、生きていくって、厳しいな、と、思う今日この頃です。


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