静かなる零への回帰録...翔人

 

 

涙 - 2004年04月16日(金)

泣いてる私がいた。
酷く安心した。
当り散らしてばかりの涙ではなくて、
ただ自然に流れ落ちる涙だった。


松田さんのDVDを久々に見た。
部屋の荷物を漁っていたら見つかって、
見つけたらいてもたってもいられなかった。

苗場での思い出が溢れてやまなかった。
「体、気をつけて」って、たったその一言が嬉しくて、
会場の外で泣き崩れている自分がいたのを思い出す。
物も満足に食べられない、一番酷いときに、無理を押して行った。
でも本当に、行って良かった。

数ヵ月後、外出が出来るようになり、ふと財布の外ポケットを探った。
松田さんのステッカーが出てきた。
帰り際に手渡されたそれを、私は無意識に財布に入れていたらしい。
その事実に、不覚ながら、駅で涙しそうになったのを、また思い出す。

もう随分と身につけていなかったリング。
見つからなかったネックレスは、荷物の底にあった。
酷く懐かしくて、無駄に焦って足掻いて息も絶え絶えな自分が見えた。


深く深く深呼吸して、今日も面接のために身だしなみを整え、
店へと赴く。


結果は保留だった。他のバイト先の結果が決まってからでいいと言われた。
アパレルに進みたいのだという私の気持ちと、
上京のためにどうしてもお金を貯める必要があるのだということを
人事担当の方はきちんと理解して下さった。
それだけでも嬉しかった。


「松田パワーかな」


帰りに呟いた。


あなたが本当に好きだ。
出会えて良かった。
今までのどの出会いよりも奇跡に近い出会い。
本当に、本当に出会えて良かった。
縁があって良かった。
あのとき、リングを買ったとき、誓った思いを今も忘れません。


正直、自分に疲れ切ってました。
そんな時に松田さんにまた触れることが出来て幸せです。


私、まだまだ真っ暗な道しか見えません。
それでも、泣けたことが嬉しかったから、
世の中捨てたもんじゃない、自分も捨てたもんじゃないわ、と思えました。


手紙はいつ手元に届くでしょう。
きっと夢を叶えてみせますから、松田さんに負けないくらい、
充実して、それでもまだまだだ!って思えるくらいになってみせますから。
記憶の片隅でいいんです。覚えていてくださいね。


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