遠い空に手をかざすむかし まだクスノキが木でなかったころごつごつしたその肌にふれたのと同じ手でおはようまたはこんばんはなんでもいいので声をかける届くかどうかわからないけれどずっとむかし まだそれが木でなかったころからクスノキは私をみているただしさがなくてもいいようなやさしさのままそこにいるだから毎日がやってくるクスノキのありかたでわたしはもういちど空へ手をかざす