箱の日記
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水彩
また僕は茶色で上塗りの土をかいた
水彩画の特性を生かさないと
ぼんやり 水に溶けていくよう 境界線とか 重なりのない 空間 とか そういった 絵が 描きたかったのでは ?
薄い土 を思い浮かべている 土 空とはちがう空間と 空間とは異なる空 の間にかたちのない境界を 存在させる 空白というものを存在させる? どうにも 茶色を薄めるための水が足りない ようだ
女の肌はもっと白い はずなのに 上塗りをした土色の領域が よこたわる女の体に見えて 消そう とする 茶色で消そうとする きっと 水分が足りていない これくらいの肌色をずっと昔に 抱いたことが あったかもしれない
地面があって、空間があって、空がある それだけ でじゅうぶん なのに 画用紙のうえに僕は 世界を置こうとしている それはきっと 過ぎるんだと 思う
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