風邪でおとなしくしているので、余裕のある時はうちにある漫画を読み返しています。
「スケ番刑事」「はみだしっ子」「おんなのこ物語」などなど。
少し前にはじまった、ほったゆみ原作河野慶作画の「ユート」毎週なかなか楽しみに読んでいるんだけど(立ち読みだけど)最初はそれほど感じなかった「絵のレトロさ」を今週特に感じました。 描き手の河野慶は別にベテランでも古い人でもない「新鋭」なのに、シャープな描線なのに、なぜかレトロ。 それが悪いっていうんじゃなくて、私なんかはどちらかと言えば良い方に取っているんだけど、男性読者から見てどうなんだろう?とは少し思う。
特にレトロだよなあと思ったのが、立ち読みで細部を覚えてなくて申し訳ないんだけど、ユートの友達で、目が前髪で隠れちゃってる子がいるじゃないですか。あの子見て、あー古い!と瞬間的に感じた。 昔の少女漫画のモブキャラでいたような、萩尾の描く学校の風景のモブにいそうな感じ。 主人公大好きで懸命にかばったりするんだよね。ライバルを悪く言ったりして。 あとは頭が良いハカセタイプのキャラとか。最近だと「ベイブレード」のキョウジュって子いたよね確か?
こういう子が実は女子だったりすると萌え!とかそういう盛り上がりってありますよね、少女漫画的な…男子でもショタキャラとしての萌えもあり…キョウジュも男子か女子か結局わからないんだっけか?
個人的には、「目が出ると実は美少年」とかより、前髪キャラを貫いてほしい(笑)でも実は女子パターンも捨て難いなあ。実は女子パターンは恋愛を話のメインに据えることのできる少女漫画ならではだと思いますが。
この話を友人としていて「萩尾の漫画に出てきそう」「パタリロとか。あれはもともと萩尾とかのパロディなわけだし…」「和田慎二にも出てきそうだ!」「美内すずえも!(実は美女パターン)」とか盛り上がってしまった。
なんか「ユート」の絵柄には不思議に少女漫画的なレトロさを感じます。年いったオバ少女漫画読者の方が馴染めそうな感じ…
ほったさんのネーム時点では「ヒカルの碁」でもヒカルのキャラデザはまったく違っていたそうだし、河野さんが何を考えてキャラデザして、絵をああいう風な具合に確定しているのかはわかりません(作品が進むにつれて絵柄も変わっていくでしょうけど)。 でも、想像ではなんとなく「ほったさんのネーム絵をそのまんま描いてる」んじゃないかなーって… 河野さんは新人で、ほったさんはヒカ碁で大成功している先輩なわけじゃないですか。前の小畑さん/ほったさんとはちょっと関係が違ってきますよね。 前髪で目が隠れちゃってる子も、ほったさんのネームそのまんまだとしたら、なんかすっごいうなずけるんですよ。あーわかるわかるなーって。河野さんの絵って小畑さんの絵より、ほったさんの匂いが残ってる感じがする。
今のところは続きを楽しみにしている漫画のひとつです。ほった節!って感じ。
「巧さ」が前面に出て来ちゃうところが苦手…という方もいらっしゃるようですが(ヒカ碁は好きだったけど、同じ調子で二度やられると…という人もいるみたい)、私は大丈夫のようです。
「巧い!」というのが先に出て来ちゃうと、作品としてハマりきれないことってありますよね。ある友人は岩明均さんの作品を読む時、好きなんだけど「巧い!」ていうのが先に来てしまうと言ってました。私は岩明さんの作品は素直に楽しめるのでそうなんだー、と驚きました。
なるべく作品を読む時はそういうことを考えないようにしてます。どうしても考えちゃうからこそ、考えないようにする。推理小説を読む時は「私を騙してください!」と思って読みます。
「巧い!」が先に来ちゃう作家っていうと、やっぱり浦沢さんかなあ…
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