セツ

セツモードセミナーの主催者である長沢節氏の回顧展に行って来ました。
長沢節さんとは戦後の日本ファッション界に多大な功績を残したイラストレーターです。本当に格好いいイラストばかりを残しています。
セツモードセミナーとは多くのイラストレーター(花井幸子さん、石川三千花さん井筒啓之さん等)を輩出した美術学校です。試験は無く、「みんなが楽しく、本当の絵の勉強ができる独特の場、貧しい画学生でも気兼ねなく学べる場」として創設された学校。素敵ですね。

展示の場所は根津の弥生美術館でした。
今日は偶然、当時話題となったといわれる「モノ・セックスショー」というファッションショーの再現を行う日だったようで、人の入りも沢山!

長沢セツ氏のイラストをこんなに一気に集められてみたのは初めてでした。
細くてガリガリのモデルを愛したというセツ氏のデッサンは人の体のラインを的確に、美しく捉えていて、その線一つ一つを見るだけでうっとりしてしまうほど。
足のライン、首から顎にかけるラインなんかがいちいち素敵。
的確にボディーラインを捉えて必要なだけの線を書くということは非常に難しい。それをさらりとかいている!動きがあるし雰囲気がある。それだけで感動してしまう。
セツ氏のインタビューで「デッサンは美術の基本なんて言うけれど、そんなことは無い、デッサンを上手く書くことは一番難しい事だ」というものがありましたが、凄く納得。自分の個性をその一本の線で表せる、その力は本当におそれいります。
あと、狂言(?)の作品もありました。その描かれている人たちの動き、立居振舞まで見えてしまいそうなほど雰囲気のある作品でした。

そしてモノ・セックスショー。当時でもかなりの話題と反響を呼んだといわれるショーらしいので、かなりドキドキしていました。男が男らしい格好をするなんてつまらない的な発想。男女の垣根を越えたファッションショーとのこと。
始まった瞬間に可愛らしいモデルさんがミニスカートで颯爽と歩きます。または後ッツイ男のモデルさんがスカートをはいて登場、少女漫画から出てきたようなタレ目のモデルさんが周りに愛嬌を振りまいたり、男女同じワンピース(胸の部分からへその下あたりまでぱっくり開いてるデザイン)で登場したり、かなり面白いスタイル!今でも通じるんじゃないかしら。また、モデルさんたちがはいている靴がまた素敵。皮製だけどいちいち素敵なデザインだったー。あっという間に30分は終了して、楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
2004年06月20日(日)

日々ノオト / kica

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