「人間」菅井優児
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先日床屋に行き散髪をした。
散髪中に何か読む本はないかとソファ横の本棚を色々と物色したところ 一昔前に流行った「買ってはいけない」という本を見つけた。
内容としては、この商品には危険な成分がぎょうさんあるので買っちゃなんないぜ、というものである。
それに対抗して「『買ってはいけない』を買ってはいけない」という本も出た。
まるで小学生の口喧嘩である。 「バーカ」「『バーカ』っていうほうが馬鹿だ」「『バーカ』っていうほうが馬鹿っていうほうが馬鹿だ」・・・∞
この本を読んだ人のうち何人が掲載された商品の購入をやめたのか疑問だ。
掲載された歯磨き粉を別のものに変えた所で大した差はないし、腹がゆるくなれば正露丸に頼る。
実際にそういった危険を孕む商品を一切買わないとなれば、生活水準は一気に鎖国の時代に戻ってしまう。
そういったものを摂取せずにこの時代を生きるというにはいささか困難が生じる。 別の問題としては牛肉偽装、乳製品などがある。 ああいった事件の後では、これは大丈夫か、あれはどうなんだと猜疑心が芽生えてしまい、 そういった全てに警戒心剥き出しではいずれ餓死する。 100%オーガニックな生活は実際は金が掛かるものだ。
食品添加物を多量に摂取する事が体に悪影響を与える事など、小学生高学年になれば分かる事であり、 あくまで自己責任という名において食品を選べばいいと思う。
絶対オーガニック主義を謳ってる輩は、災害時にカップ麺を避難キャンプで出されても、 「こんな添加物だらけのもの、僕は食べないよ」と言うのだろうか。
人間、健康である事が幸せなのは当たり前なのだが、悪いもの喰って体壊すのも自分の責任なので、 死なない程度に、自分の嗜好と称してジャンクフードを口にするのは別段いかん事ではないと思う。
なので、「これは遺伝子組替えじゃがいもをバリバリ使ってるぜ!」 という表記のスナック菓子などを売ってもいいと思う。
それを買う、買わないは消費者の責任という事で。
俺は「買ってはいけない」という本がすごく嫌いである。 具体的な商品を槍玉にあげて、それをこき下ろし、消費者を路頭に迷わせた所で、 「安心したまえ、ここにこんなに安全で素晴らしい商品がある」と自分の愛用品を紹介。 その自分がセレクトした商品は間違いない、これこそ真実と言わんばかりの 高慢ちきな態度が非常にムカツク。お前にとっていいだけだろうが。あほんだら。
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