去年のこの日は現実と虚構の境界線が消えた時だった。表面上は差し障りの無い事だけで、受け止めるに耐えられない事実はいつも見なくても済んだのが現実で。大袈裟に取り上げられはするもの、実体は大した事がないのが虚構だった。TVで観た光景ではその現実と虚構が崩壊してた。大袈裟で受け止めるに耐えられぬ現実。かつて空を隠していた2本の線は、そのまま2本の空白になった。その空白に白い飛行機雲が横切って、空白のところで消えた。