2005年10月04日(火) |
大戸屋の謎(解答編) |
昨日は一日風邪でバテていた。会社も休んだ。悔しい。
「大戸屋の謎」の解答です。なんかアクセス増えたような。
答えは、店内の様子を外部に見せない目的のため。でした。単純でしょ。でも深い理由がある。
大戸屋は定食屋です。 注文を受けてからお客様のところに料理を運ぶまで、割と時間がかかります。 吉野家やマックはすぐお客様に商品を提供できます。 5分以上かかることは稀です。しかし大戸屋はメニューが豊富なこともあり、 調理に5分以上かかるため、時間帯によっては店内がガラガラの場合がどうしても起こります。 ガラガラの店内では、新しいお客さんが入りにくいでしょ? お客がいないということは、ここは美味くないのかな?と疑ってしまってもおかしくありません。 だから、その光景をお客さんに見せないのです。
もう一つの手法として、お店は2階や地下にありますが、 どの店も、“1階に”料理の写真つきのメニューが置いてあるはずです。 大部分のお客さんはそれを見て、何を頼むか決めてから、店内に入ります。 また、どの店にも入り口のすぐそばに注文を聞くレジカウンタがあるはずです。 これは、2階や地下に降りたときに、店内がたとえガラガラだったとしても、 お客さんが帰る気を起こす前に、もう“決まっているはずの”注文を聞いてしまうためです。 たまたま決めてなかった人のために、レジ横にはもちろん写真入りのメニューが貼ってあります。 そして料理のお金を前払いで客に払わせ、注文が書かれたレシートを渡す。 料理を運ぶ際にもそのレシートを頼りに、従業員も確実に料理を運べます。 この流れで、ファミリーレストランでは実現できない、かなりのスピード化が計れます。
この優れたスキームによって、来たお客さんを帰らせない&食い逃げの危険性はゼロになります。 店内で食事をした人は煎れたてのエスプレッソが50円で飲み放題ですし、デザートも豊富です。 おそらく、エスプレッソの儲けは、ほとんど無いでしょう。しかしこれもお客に早く帰って欲しくない、 絶えず誰かが店内にいるように見せかける意図があります。
結果としていつも店内にお客さんがいる…繁盛している店と見せかける経営上のテクニックでした。 実際、繁盛してるんだけど。 これが個人経営だと、擦りガラスで店内を見せなくすれば1階の方が客が入るかもね。 フランチャイズの強みもちゃんと活かしている。 大戸屋のイメージは、いつも混んでいる店というイメージが強いのでは? そのイメージは大戸屋の知恵によって意図的に作られたものなのです。
もしあなたがデートで近くの大戸屋に行ったとき、 「何で大戸屋は1階に無いと思う?」とクイズを出してみるのも面白いかもね。
ちなみに汐留にある大戸屋は、2階のレストラン街に普通のレストランと同じに店を構えていて、 他のファミレスと同様にテーブルに置かれたメニューでお冷やを持ってきた従業員に注文し、 料金は後払いですが、何か? 上記のような工夫をしなくても、客足が途絶えない都心部ではこの工夫をしていないらしい。 と補足で加えておきます。
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