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2005年08月07日(日) 某国のイージス

仕事する前に映画「亡国のイージス」を見た。やはりあの濃密な話を2時間にまとめるのは無理だったんだなぁという感想。真田広之版「ダイハード」で終わってしまった気がする。ラストの細菌兵器「GUSOH」の奪い合いは「ザ・ロック」というハリウッド映画を思い出した。まず、初めてこの映画を見た人には、なんで北朝鮮の女工作員ジョンヒがこの映画に出てくるのか、さっぱり分からないはずだ。男ばっかり出てくるムサイ映画を緩和するために現れたご都合キャラとしか思えない。一言もセリフを言わず、ただ殴りかかってくるカンフー少女としか見えない。ちなみに原作では、過去の戦闘が原因で口が効けなくなったという設定があるのでセリフが無い。

準主役の如月行はイメージ通りでした。吉田栄作が出てきた時は、久々に顔を見たので笑ってしまった。まぁ、好きな人は観てください。個人的に「姑獲鳥の夏」は付いていけなかったが、この映画はまぁよくまとめたかなという感じ。原作者の福井晴敏が脚本家と20回以上、話し合いをしたという努力が報われたかな。この映画観てから、原作読んだほうが判り易いかも。

この映画の良いところは、日本人の武器に対する態度がしっかりと出ているところだと思う。後半、この物語のテー間でもある「撃たれる前に撃つ。これが戦争の鉄則だ」というセリフが出てくる。序盤では、いかに日本という国が、国家として成り立ってないか、諸外国からの攻撃に弱いかを切々と語る。始まってから一時間は面白いよ。たぶん相当練ったはず。イージスの意味や、日本の弱さを北朝鮮工作員の中井貴一がバシバシ説明する。

名セリフ「よく見ろ日本人、これが戦争だ」もすごくかっこいい。シビれた。

殺人マシーンだった如月行は、先任伍長である真田広之から日本人の暖かさ、もしくは腑抜けさ、甘さかもしれないけど、100%日本人の考えを持った真田広之に影響されていくところが、この物語の一番のキモだと思う。序盤では「撃たれる前に撃つ」という、アメリカ的セルフディフェンスの精神を提示して、後半では「兵士としては正しいが、人間としては間違っている!銃を撃つ時にだって、人間ならば色々考えるだろう!」と日本人的な考えをちゃんと観客の前に持ってくる。そして観客に選択を迫るのだ。この辺は本当に上手い。日本は腑抜けで何のためにあるのか解らない自衛隊、拳銃を持っていても上司の許可無しでは発砲できない警察があるけれど、だからこそ日本であると思う。銃犯罪はアメリカよりも少ないし、その辺はマイケル・ムーアの「ボウリングフォーコロンバイン」という映画を観ると一番解る。戦後60年を締めくくる福井映画としては最高ではないだろうか。福井晴敏がチョイ役とかで、映画に出てこないのも素敵だ。京極夏彦はマジ最悪、映画「姑獲鳥の夏」では、のこのこと10分近く出てきて下手糞な演技を展開する。うんざりだぜ、マジで。

雑誌のインタビューで答えていたけど、原作者の福井晴敏はあれだけ戦争に関わる話を書いていながら、軍事オタクでは無く、むしろガンダムオタクなのだそうだ。その辺の客観性がよく作風に出ていて、右翼でも左翼でもない群像劇が描けたと思う。正直、久々に羨ましいと思う作家である。



秋葉原の電気街口改札前で、「民主党の掲げる「人権擁護法案」を認めたら日本は終わりだ!」と叫んでいたおじさんが妙にカッコよかった。「人権擁護法案が可決すると、韓国人も中国人も日本人と同じ参政権を持つことになります!オウムのようなカルト宗教も許されてしまう!戦後60年、お祖父さんや親から受け取った日本が、破壊されてしまうのです!」マイクを片手に必死にアジテーションを飛ばしていて、最後には感極まって男泣きをしていた。オレ以下、聞いている人から拍手が起こり、「おじさん、いいぞ!」「がんばれ!」と声援が飛んだ。それはアキハバラの奇跡だった。

郵政民営化が否決されるとコイズミ内閣は解散するのかな、
民主党が台頭になったら、あり得ないハナシじゃないですよ?

http://plaza.rakuten.co.jp/h0123/diary/200508010000/

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ふみひこ |MAIL