DiaryINDEXpastwill

リンクフリー、辞めてもいい?(苦笑)
心の中にリンクを張ってください
(オレ、今いいこと言った)



2005年07月19日(火) 作家センセー

帰宅してから今日もずっとパソコンで執筆していた。
今日は比較的枚数が書けたので嬉しい。なので少し偉そうに小説の話をする。

昔、教えてもらっていた塾の先生が、地元の名士として紹介されていたのを発見した。リンクしておこう。昔、浪人〜学生時代に山と渓谷社で編集として在職していたことがあるのだが、この先生のアシスタントだったのだよ。スノボのインストラクターであった経験と山と渓谷社で培った経験で、見事、あの日本一の少年誌発行部数を誇る「週刊少年マガジン」でスノボの漫画原作を手がける。

「High Life」というタイトルだったのだが、知っている読者はいるだろうか?当時、オレはいやー小説とかやっていきたいんですよねみたいなことを、同志・先輩として相談してた。すると、オレを弟子にしてくれると言い「脚本を書いて来い」みたいなことを言われた。気持ちは嬉しかったが、あまり習いたくは無かった。何故かというと、この先生は、勝さんには失礼かもしれないが、書く話が単純に面白くないのだ。ドシロウトのオレがこんなことを言うのは大変おこがましいのだが、理由はそれだ。

教師として、この人ほど熱心にオレに数学を教えてくれた人はいない。人を引っ張るリーダーシップ、カリスマは相当なものだ。勝さんは2度、大学に行っている。最初に出た大学では満足しなくて、もう一度中央大学に入り直した。とにかく、やると言ったことは本当に実現する。この人はすごい努力家なのだ。その人が漫画の原作を書くというのだ。最初はオレもすごい!この人はやはりオレの一生の師なんだ、と尊敬していた。しかし会って話をした時に違和感が段々と生じてきた。

「そうか、フミヒコは推理小説を書きたいのか。じゃあ『×××(警察の内部事情について書かれた有名な資料集。定価10万以上)』は持ってるのか?」
「ああ、噂の真相に広告が出てたやつですね、そんな高いの持ってないですよ」
「何で買わないんだ!?やる気あるのか?」
「いやー僕の小説には必要ないんですよ。必要になったら国会図書館でも行きます」
「オレは買ったぞ?そこでもう気迫が違うんだよ」
いやー経済力も全然ちゃうやろ、と当時は思ったもんだ。

その後、勝さんは自分が通っているシナリオ講座や、講談社の担当さんとの自慢話をし始めた。
「『はじめの一歩』の第一回は本当によく出来ている。お前読んだか?あれはホントすごいよ。『愛と誠』を超えている」
「講座のお題で『結婚』というのが出たので、オレは血みどろの花嫁の話を書いて、先生に評価された。何で評価されたか解るか?『結婚』と『血痕』がかかってるんだよ」
「この漫画の中ですごい迷った台詞があるんだ。『ボードはオレの翼だ!』って言う台詞を入れるために何日も担当の編集さんとバトルしたよ」
「ペンネームの神先史土(かんざきしど)のシドで、お前はシド・ヴィシャス(SEX PISTOLSのベース。パンクロックの象徴)だと思っただろう?違うんだな、シド・バレットのシドだ」
ここまで書くと大体、勝さんの書いた話の内容が見えてきただろうか。
まぁ、ちょっと軽いズレとかを感じてきたと思う。1999年のことなんでまさに世も末だった。
先ほど検索したら「High Life」を当時、読んでいたであろう人の感想日記が見つかった。

  スノボ漫画「High Life」( 作:神先史土+画:いずみ誠)が新連載。
  あんまり長持ちしそうにない感じ。
  http://picnic.to/~ohp/diary/1999/1999_01b.htm

この後、コミックスが発売された後にも会った。
連載が2巻で終わっちゃったことをどう思っているか知りたかった。

「おおフミヒコ、単行本持って来いよ、サインしてやるからさ」
・・・この頃には、人間ってのは浮かれちゃうとここまで周りが見えないものなのかと、思ったもんだ。

それ以来、勝さんに会っていない。この「High Life」が連載されていた時が1999年だから、もう6年近くも会ってないのか。実は今日知ったのだが、その後2003年には同じ原作者「神先 史土」名義で「復活師レオン」という漫画も手がけたらしい。おお!頑張ってるじゃん!と、最初は思った・・・。

原作:神先史土 漫画:太田マサキ『復活師レオン』。究極感覚アルティメットセンスがあるから大丈夫!! 病気や怪我が原因となって、志半ばにして夢破れた人々を復活させる「復活師」レオンを主人公に、究極感覚アルティメットセンス(わかったようなわからないような……)によって無問題、医療ミスはない! という有無を言わせぬ設定でなんとかしてしまった作品であります。『ブラック・ジャック』の後継者ともいえそう。このほかにも細部の設定などが微妙にヘンテコで、そこが奇妙な味となっています。

「復活は運命の強さで決まる 賽を振れ!」などといって、7つのサイコロですべてを1の目で揃えなければ依頼を受けてくれなかったりするあたり、かなりひどい。手遅れになってしまいそうであります。「復活師」だから問題ない、といえなくもなさそうだけど、そのわりには緊急手術ばかりの気もするし…… そういえば、パートナーの未来ちゃんがアンミラの制服を着てウェイトレスをしているという設定もかなり謎である。報酬は受け取らないのだろうか?
徹底検証! 医者漫画 『ブラック・ジャック』の末裔たちより抜粋。

「High Life」同様、「復活師レオン」も全2巻で完結。

勝先生からはいろんな物を学んだ。当時中学で「キング・クリムゾン」や「ピンク・クラウド」のプログレシッヴ・ロックを聞いていたのはオレだけだったと断言しても良い。先ほど出たシド・バレットは「ピンク・クラウド」のギターである。今書いている小説も、日本のプログレバンド「pagent(ページェント)」の曲からインスパイアされたものだ。この人の出会いが無ければ、この小説に気づかなかっただろう。

勝先生からは色々なことを学んだ。自分がすばらしいと思っている物語が他人から見れば、とんでもない「駄作」である可能性があることを、絶えず見定めなければならないことを。人間的に素晴らしい人物が書いたものでも、amazonでは中古で一冊1円で売られているという現実を受け入れなくてはいけない。誰もが面白い、素晴らしいと思う作品にこんな値段がつくだろうか。

勝先生からは色々なことを学んだ。ストーリーテリングは人から学ぶような、試験勉強と同じようなものではないことを。センスが無いやつはダメ。センスがあるやつだけが残る。作品は恐ろしいことに、これからも後世残っていくのだ。こんな扱いをされるなら、最初から書かないほうがいい。勝先生は漫画を馬鹿にしていた。書くものが古かった。構成や伏線が全然、活きていなかった。人間ドラマが少なかった。反面教師として、ずっと忘れない。この、物語へのこだわりはずっと持ち続ける。

しかし、彼はデビューしている。少なくとも世間的に認知されている。
これからの自分の問題は、それだ。自分がただのエセ評論家で終わるかどうか。

・・・Write or Die?(笑)



木霊/ページェント

青い大きな花の咲く頃は この森に迷ってはいけないよ
恐ろしい悪魔が目を覚まし 二度と帰してはくれない
甘い香りと美しい歌声 咲いて乱れる青い花
枝という枝が絡みつき お前は地獄で逆さ吊り

逃げても逃げても籠の鳥 明日は明日は誰も見えない
逃げても逃げても籠の鳥 やがて奇妙な果実に変わる

口唇から指の先から 私の命は溶けて流れる
薄れ始めた意識の中で 聞こえるあの歌 あの声

遠い昔に聞いたあの歌が 今、目の前に現われた
迷路のようなホヴェニアの森で 悪魔の腕に抱かれて

逃げても逃げても籠の鳥 明日は明日は誰も見えない
逃げても逃げても籠の鳥 やがて奇妙な果実に変わる

口唇から指の先から 私の命は溶けて流れる
薄れ始めた意識の中で 聞こえるあの歌 あの声

青い大きな花の咲く頃は この森に迷ってはいけないよ
ホヴェニアの香りに包まれて やがて干からびて朽ち果てる

逃げても逃げても籠の鳥 明日は明日は誰も見えない
逃げても逃げても籠の鳥 明日は明日は誰も見えない

逃げても逃げても籠の鳥・・・逃げても逃げても籠の鳥・・・

ヴェクサシオン/ページェント

生まれた時からずっと、ふたりでひとつ
鏡を重ねたような 首や背中が
ゆらゆら漂い歩く遠い日々
貴方は右を向いて 私は左
涙の中で気付くふたつの心
やがて天使になる どちらかが
白い部屋の中でふたつに離れて
貴方には白い翼 私はここに

誰がいけないの? 神様の悪戯
いつまでも忘れない 忘れられない
鏡の中で微笑むヴェクサシオン

鉛色の壁の中
貴方が今日も見つめてる
黒い両手を差し伸べて
寂しがり屋のヴェクサシオン


ふみひこ |MAIL