あいつがこの世から消える前に、自分が何かできなかったのかと、何もできるわけがないが考える。考えてしまう。ただ一人の同級生の友人が去なくなった。教えたい店や本や映画があって、次に会った時にその話をすることを楽しみにしていて。でもどうやら、その話をするのはもっともっと後になりそうだ。7月2日のこの日に、ZIGGYのライブを日比谷野音に観に行った。だがそのあまりの演奏のへたれっぷりに、全然、鎮魂歌の役割を担ってくれなかったので、次の日、自分でカラオケに入って、あいつが好きだったBUMP OF CHICKENの「ダイヤモンド」と、B'zの「The Wild Wind」を歌った。そんなことしかできない。ただただ申し訳ない。毎日、顔を思い浮かべて、過ごしている。