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リンクフリー、辞めてもいい?(苦笑)
心の中にリンクを張ってください
(オレ、今いいこと言った)



2004年05月17日(月) 論文のような小説

あまり本は買わないようにしているのだが、以前立ち読みをして大感動した小川洋子著/「博士の愛した数式」を今日、とうとう購入してしまった。帰りの電車の中で、頁をめくる。最初の10ページで引き込まれる。既に一度読んだことがあるから、一番最後のページの一番最後の文章をもう一度読んだ。何度読んでも素晴らしい。どうしてこんな小説が書けるのだろう。このラスト一行に至るまでの様々なドラマや複線が、この一行にすべて集約され、昇華する。また、涙が流れた。嫉妬の涙だ。野球なんて全然解らない人間の自分にもこの小説の素晴らしさがわかる。この物語が素晴らしい故に心から嫉妬する。優れた論文のように緻密で美しい小説。これこそが自分が求める小説の形だ。


ふみひこ |MAIL