milukuの日記

2007年01月31日(水) 一瞬の風になって/講談社

『一瞬の風になって』佐藤多佳子/講談社/全3巻

高校陸上が題材になっている、青春スポーツ小説。
しかも、100Mという、まさに一瞬(10秒くらい)の競技を扱った、新しい小説です。

中学まで、サッカー少年だった、主人公の神谷新二が、高校で幼馴染の連(中学では有名な陸上選手)と一緒に、上を目指すという、ストーリーなんですが、競技が、100Mだったり、200Mだったり、リレーだったりと、今まで読んだことがない題材だったので、とても新鮮でした。

さらに、競技のことをよ〜〜く調べてあるので、主人公の走っている感触がこちらに伝わってくるのが、すごいと思いました。
さらに、競技がいかに、自分と闘うのか、どれほど集中できるかで、決まるのかなどが、とてもリアルに伝わってきて良かったです。

陸上モノは珍しいですが、それを差し引いても、スポーツ小説として、秀逸だなと思いました。

ただ、残念なのが、一人称で話が進んでいて(私は、あまり一人称の小説すきじゃない。)全部主人公目線なのと、主人公と連だったり、主人公とお兄さん(Jリーガー)との関係性をもっと踏み込んで、もっとどろどろしたほうが、もっと人物に厚みがでて、面白くなったんじゃないかと思いました。
結構、重要なところも、さらっと流れていたので、スポーツシーンがメインで、そこら辺は話の筋を考えてはずしたのかもしれませんが、もっと突っ込んで、掘り下げて、競技につなげたほうが面白いし、もっと色々悶着があったほうが、話として盛り上がるのでは、と思いました。

でも、3巻くらいから、各キャラクターへの細かな描写や、プレイスタイルが、はっきりしていて、とても面白かったです。

できれば、続編出してほしいです。

2006年から、スポーツモノにはまっていますが、『大きく振りかぶって』(ひぐちアサ/アフタヌーン/アニメ化しますよ!!)⇒『バッテリー』(あさのあつこ/夏映画化)⇒『DIVE』(森絵都/角川文庫)⇒『88回夏の甲子園』(アメリカ遠征〜国体まで)⇒『フィギュア』(GPファイナル・特に真央ちゃん)⇒『箱根駅伝』(順天堂優勝!)⇒『一瞬の風になって』
次は、何を見ようかな〜。
楽しみがないと、生きていけません。


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