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| 2003年06月16日(月) | 院生の特権 |
本日の実験にて。メスシリンダーを使いました。
液体の体積を測る道具です。小学校などで誰でも一度は触れたことがあるのではないでしょうかんが。
手にとって見るとなんだか微妙にゆがんでいる……熱で変形でもしたのでしょうか。
もちろんコレは円筒形のガラスにメモリがついていて体積を測るものですので、歪んでしまっては性格に計量することができません。
捨てろよこんなもん、と思いながら二つ目を手にとって見ると。
穴が開いていました。
一応メモリより上にあるので正確に測ることはできますが……取り出すとき絶対こぼすこと請け合い。
直しておけ〜と思いながら三つ目を手にとって見ると、やはり上部に穴あき。
四個目を取ってみると下の足の部分が粉々に砕け、接着剤で補強されている有様。
まぁ測れないことはありません……ってかほしいサイズのはもうコレしかないし。
あきらめて砕けたまんま使いましたが、ちょっとどうかしていると思いました。
そんな研究室の状況と少ない予算を打破すべく、うちの研究室では先月からΓﾃイント制を導入したそうです。
壊してしまった器具の値段を百分の一にしてΓﾃイントとし、各班ごとに集計。
一人当たりのΓﾃイントが多い班が罰贈ﾃ除をすることになりました。
器具の値段はほぼ見たまんま。大きくて、精密な器具ほど高価格となります。
たとえば同じサイズのフラスコでもスリガラスがついているのといないのとでは1500円も値段が違うのです。
コレでみんな器具を大事に扱い、破損事故も減るはずだね☆
ちなみに現時点での最高得点はY班の19P。1900円分も割るなんてぶっちぎりだね！
ところが。
いつも無口でおとなしい僕の指導院生T先輩が、いきなり大笑いしながら僕のところにやってきたのです。
先輩『あはははは、みなぎさん見てよ、やっちゃったよ、あはは』
一体何がどうしたかと思いきや。
先輩がぶっ壊した器具はよりにもよってアリーン冷却器でした。
……コレはまた思い切り高そうなものを……
僕『先輩……コレはかなり精密っぽいですけど、ちなみにお値段は……』
先輩『うん、一万九千円かな』
僕『そんな、190Pって桁違いじゃないですか！』
コレはもう罰贈ﾃ除決定かと思いきや。
先輩は他の同級生とさわやかに話し始めたではありませんか。
T先輩『ねぇ、壊れた器具って直せる場合は修理に必要な金額だけΓﾃイントにするってことでいいよね』
Y先輩『あ？うん、いんじゃないですか？』
そんなわけで、最上級生の特権を生かし、うやむやなまま自分の失敗をごまかしきった先輩。
おかげさまで我が班のΓﾃイントは1.1Pとなりました。
……卑怯だ。卑怯すぎる。
そんなところがステキです、兄貴！！
