コハルビヨリ
もくじ|まえ|つぎ
一限目がテストなのに2、3分遅れそうな感じで あわてて坂道を登っていた。
ふわふわだった雪も、もうかたくかたく固まってしまっていて。
ええ、転びますとも。
何回目かにすべったときに、何日か前にできた大きなあざを もう一度思いっきりうった。
痛すぎて痛みを通り越して、時間がないのもあって 「学校に行かなきゃ…」とつぶやきながらひたすら歩いた。
でもテストを受け終わって演習室に行こうと思ったら なんだかジンジンする。歩くとあざがウズウズする。
また腫れてるよ…。 保健室でシップしてもらった。
転ぶのはもう恥ずかしくはないけど、痛いのはイヤだ。 雪はきれいだけど、氷はこわい。
彼と雪の幸せな記憶ってあんまりない。
おととしの今ごろは彼にフラれたあとで、せんせいに会ってたし。 去年は彼がスキーしに来るっていって来れなくなったし。 今年も雪がある間に山形で会うことはないだろうし。
雪の上で彼とすてきな思い出でもできないものだろうか。 いつでも幸せなことを思い出せるように。
一人で歩く雪道は、きれいで厳しくてちょっとせつない。 君がとなりにいたらきっとこんなに寒くないのに。
思い出や面影だとしても、いつだって君と一緒にいたい。
|