コハルビヨリ
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彼が帰ってからのここ何日か、なんだか漠然と不安になってた。
別に何が怪しいってわけじゃないし、 浮気されてるって本気で思うこともないし、 でもなんとなく。 なにが原因か自分でもわからない。
昨日、もっといろいろ話したいこととかないの?と聞いてみた。
なんだか彼は前よりも話さなくなった。 「こはるー!ちょっと聞いて!」 みたいなことがなくなった。
いろんなことを私に説明することは、 その出来事をもう一度体験するようでめんどくさいらしい。
一日の報告するだけの電話になりそうだしね。 それはいやだけどさ。
「仕事もバンドも充実してきて、そのぶん忙しくなって 疲れてんだよとにかく。」
「最近感動が薄いんだよね」、とも。
彼がそれでいいんならそれでしかないんだな。 それでも話して?ってせがんだら、彼の負担になってしまうかもしれない。
彼の話を聞くのがすきなのは、彼が私に聞いて欲しいことがあって それを楽しそうに話すから。 それを『私に』話そうと思ってくれたことが嬉しいから。
そうじゃなかったら、無理やり聞き出すのは、聞いても楽しくない。
でもわたしばっかり話してるとなんだか不安になるんだよ。
彼のトクベツでいるということの自信が欲しい。 そう思える要素は他にもたくさんもってる。 毎日電話をくれることだって一度別れる前の彼に比べたら奇跡のようなこと。
でも一つ手にしたら、一度手にしたら、最高のものが欲しくなる。
どこまでなら欲張っても許されるんだろう。 だめだな。なんでも受け入れられるのがウリなのにな。 彼に関しては貪欲だ。 こんなんじゃ疲れちゃうよね。
なんだか彼とうまく話せそうにない。 電話に少しの沈黙が生まれるようになったのはいつからだろう。
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