コハルビヨリ
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忘れられたわけではなかったらしい。
「お前に謝らなきゃいけないよな。」
なに?なにやらかしたの?
「お返し、ちょっと待ってな。ほんとはこっそり 送ろうと思ったんだけど忙しくて。言っておかないと お前はまた俺が忘れてると思うだろうからさー。」
あらわかってるねー(^_^;
しかも手紙を書いてくれるらしい。
「歴代彼女の中でお前が初めてだよ、俺から手紙 もらえるのなんて。こんなに手紙くれたのもお前 だけだけどな。」
えへーうれしいな。今までいくら書いても返事が文章で きたことはなかったからねー。
ありがとね。のんびり待ってます。
しかし。
「歴代彼女って私は何人目?」なんて聞いたのがまずかった。
私と別れてからひとり彼女がいたのは知ってた。 会ったことあるしね。
そのあといろんな女の子と関係があったのも聞いた。
でも付き合ってたっていうのは知らないぞ? びみょーに付き合おうと思った人がいたとは言ってたけど。
ああもういいや君が勘違いしてただけってことに しておこう。たぶん付き合ってないさ。
遊んでた頃の君はそこそこサイテーだったから 大好きだったけど大嫌いだった。大嫌いになろうとした。
そんなときの話いまさらなに言ってもしょうがないんだけど。 わたしも君のこといえるほど真面目に暮らしてたわけじゃ ないしね。
そんなふうになったのは別に遊びたかったわけじゃなくて 君を忘れたかったからなんだけどね。
あの頃の君と私がいて、今があるんだからしょうがないん だけど。でも。でもね。
なんか納得いかないのよ。あー。
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