みやにっき
詩人を名乗ることにした。

2002年10月30日(水) キヒテマスカス

またかよという感じなのですが体調がいけないのです。
扁桃腺がいけない感じなのです。
自分の唾液すら飲み込むのに一苦労なのです。
飲み込むことにいちいちどきどきする。
障害があって喉に大きな穴の開いていた祖母のことを思い出す。
話すときはその穴を指でふさがないと発声できないのだ。
それでもおばあちゃんはいつもやさしかったやさしかったやさしかった。

愛そうと思わずに愛し続けていたい。
そうして自分の身体をきゅと抱きしめる日がある。


30日水曜日の分の日記ですか。

先週,前髪を切りすぎたのだ。
オンザマユゲなんて段階の問題じゃないものね!
アバブザマユゲだものね!
はるか上空ですよ!!
と,一週間たって毛先が落ち着いてきてちょっといい感じに。
職場じゃ誰も気にしてくれないけれども…。
誰かかわいいって言ってくんないかな。
誰かかわいいって言ってくんないかな。

と,この日もまた負傷したのでちょっとブルーでした。
君は噛み傷の内出血を体験したことがあるかー。
筋肉の内側の方で内出血するからとても痛いんだぞー。
犬猫より人体の方がよっぽど凶器だ…。
体中のこぶし大の痣にちょっと落ち込む。
でもそれらは愛しさとは少しも関係がなくて。
いつも僕は平然と抱きしめるのですよ。

この日も研究授業の事後検討会があったりしてくたびれたのでした。
あと文化祭のポスターやチラシの配布準備作業をしたり。
交流のある学校やら施設やら,特殊学級のある学校やらに送付するのです。
みんなきてねきてね。
みんなこんなに楽しく日々を暮らしているよというだけの発表。
他に見せられるような芸なんか僕たちは持ち合わせていないのだ。
ただの日々。それをどうか喜んでほしいと思っている自分。
僕たちがただしあわせでいるのを,あなたのしあわせに思ってください。
僕たちを愛してください。
それだけを静かに祈り続ける自分。

愛している。

と,夜は自分の貯金の残高を見てげんなり落ち込んでみたりしていました。
9月の大きな支払いが未だに尾を引いてびんぼーなのです。
でも自分を追い詰めちゃいけないのは知っているから焦らないようにしたい。
電話やネットや手紙や作品づくりを減らしてはいけません。
食事やお茶やちょっとのお菓子や入浴剤を減らしてはいけません。
通販カタログや少女まんがや優しい音楽を減らしてはいけません。
それが自分にとって「贅沢」ではないのだと最近ようやく知ってみた。
僕は確かに脆弱なところをもっていて。
不安定になりやすい,未成熟な部分が大きくて。
それを一気に落ち着かせようとするのはどうにも苦しいのだ。
自分を程よく甘やかしておきたい,と。
なのでどうにか工夫しますですよ節約しつつ贅沢しつつ。

幼い子どものように壁に頭を打ちつけたりしない。
クローバーの中で暮らします。
ただ穏やかに笑います。
僕はだいすきなひとに「しあわせになろうね」て言い続けるのですもの。



今日のタイトルはキヒテマスカス。
ニュージーランドに生息するオナガフクロジネズミの一種。
現地の古い言葉で「袋を引きずる」という名をもつ。
雄が成長すると体型が変わるほど睾丸が肥大し,引きずるように歩くことから。
生涯,番になった雄雌が一緒に地中のトンネル状の巣で子育てを行う。
一度に10匹以上の子どもを生むため,その毛皮は子宝のお守りとされる。
観光客向けの土産物として乱獲されたため,1983年絶滅危惧種の指定を受ける。



今日のお楽しみボタンぽちっとな。

↑押すと文章が変わったりのアレだ。
そこにいるだけで全てが関係です。
そこにあるだけで全てが表現です。
それを認めないのはあまりに自分に対して失礼なのだ。
孤島にいるのじゃあるまいし。

と,僕は思う。


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