カンラン
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2002年12月30日(月) 今年最後の思い切り





年末らしくないなぁ・・・と思いながらも年末本番。

帰省してきた弟が寝ているため着替えることもできずに

パジャマの上から重ね着に重ね着した姿のまま過ごす朝のひととき。

(とことん小さなエスの部屋,洋服は違う場所に収納してあり,

ちょうどそこに弟が期間限定の安住の地を築いてしまったため。)

パンをほおばりながら何の気なしに眺めた電器店の広告。

壊れたまんまの私のポータブルMD。

ごまかしごまかし使ってきたものの,

最近じゃヴォーカルの声だけ選んだように聞こえなくなるこにくたらしさ。

安いのがあったら買い換えを考えなきゃなぁと思いつつ,

後回し後回しのほったらかし。

私のような特別何もしないような人でも年末は何かとお金がかかります。

と言うのは年末だからこその思いつき,思い切り,踏ん切り,

その他もろもろが存在するってことなんでしょう。

日頃は躊躇しがちなことでも妙にパワフルな内的追い風が発生するよな感じ。

結構魅力的なお値段になってるし。

つまりは私,大風邪を追い払ってまもなくの状態でよたよたと2駅先の電器店へと出掛けたのでした。

(今日は自転車で行くなんて選択は,はなっからなかった。)

で,ですね。

私とおんなじようにふらっと来ちゃいました風なラフな格好の人たちでうじゃうじゃの店内を

慣れない様子で徘徊した末にたどり(流れ?)着いたポータブルMD売り場。

よくわかりませんがいろんなものが出てるんですねぇ,世の中。

すんごくちっちゃい。

すんごくうすっぺらい。

すんごくかるい。

おぉ,世界に誇るジャパニイズ・テクノロジ。

私が中学時代を過ごしたあの場所じゃかるぅく倍ぐらいの値段で売られちゃってたもんなぁ。

遠足のバスの中で,

ガッチャン!とボタン(ややレバー寄り。)を指で押し下げるタイプのラジカセを鞄から取り出して,

それに音漏れ炸裂のヘッドフォンを繋げて音楽を楽しんでいた男の子もいた。

その子もいまやポケットに入るような機器を入手しているかもしれない。

脱線。

話を現在に戻して・・・いや,まずは限りなく現在に近いとこまで。

私が今日まで使っていたポータブルMDはどんなんかというとですね。

一応‘マイ・セカンド’でした。

脱線ついでに‘マイ・ファースト’はですね,

弟からのおさがりで録音もできちゃうけれど,

ディスプレイ部分割れちゃってて危険よ。てな具合のシロモノでした。

下手に触ると手切れちゃう。

・・・で,のちに自ら購入した‘セカンド’。

なんで買ったの?

それは値段が素敵だったからです。

1万円きってたの。

録音できないけど,指先切れない夢のような機械。

それでもなかなか踏み切れない私に

早く在庫をなくしてしまいたくて鼻息むんむんのお店のお兄さんは辛抱強く接客してくれた。

・・・今現在,この年末の電器店にて私の目の前にずらりと並ぶポータブルMDたちとは

比べものにはならないぐらいぶっとくて重たい子でしたけど,

随分長い間,私の耳を楽しませてくれてました。

うん。「間違いなく私,壊れてます。」って教えてくれてからも長い間。

さて今回もこの期に及んで陳列棚の真ん前でじぃぃぃぃっと考え込んだ末,

ついに購入に踏み切りました。

私,踏み切ったのだけれど,何か変。

そう言えばお店の人近寄って来ないし。

すなわちこれはまだまだ内的踏ん切りに過ぎないという状況。

どうしようかと思ってきょろきょろして気がついたこと。

展示品の上にちょこんと置いてあるお買い上げカードみたいなのを持ってレジへ行くんですね。

お買い上げカードで店員さんに聞かなくても在庫の有無も分かる。

へぇぇぇぇ。

昔は電器店と言えば店員さんにいろいろ説明してもらって・・・っていう感じだったけど,今は違うんだ。

たしかに接客がいらないってことも多々あるんだろうし,

聞きたいことがあればその時は聞いたら教えてくれるんだろうし。

こんな頼りない紙きれ一枚でほんとに商品が出てきちゃうんだろうかと

少々緊張した面持ちでレジに並ぶ。

ハロゲン・ヒーターのでっかい箱を店員さんに運ばせるおばちゃんの真後ろ。

おばちゃんのお会計が始まって,どきどき紙きれを握り締めていると・・・

私の真後ろのおじさん(これまた店員さんに何か大きな箱を運ばせてる。)が何か言ってる。

どうやら二人はお連れさんのよう。

明らかにおばさんと会計を一緒に済ませたそうなおじさんの様子に気付いて

間に挟まってしまったかたちの私は順番を変わろうと思ったのだけど,

おばさんが嫌がる,嫌がる。

なぜかこれまたそうとうな抵抗をみせてしまっている。

どうやら自分の欲しいもんは自分の財布から,みたいなモットーを抱えてるらしいが,

おじさん(=旦那。)に直接訴えるでもなく,黙って不敵な笑みを浮かべてレジ係を顎で促がしている。

(なんだかかの有名な水撒き夫人を思い出させる光景だった。)

はぁ,もうどうにでもしてください的雰囲気によって

先ほどまでの私の緊張感はどっか遠いところへ消えうせてしまいました。

そんな中,どうにかこうにか私のもとへやってきたニュウなやつ。

ブルウかピンクかふたつにひとつだったので,ピンクにしました。

気恥ずかしいような気もしますが,それもまぁいいでしょう。

(‘セカンド’が真っ黒だったのでちょっとした気分転換にもなります。)

小さなしあわせ。

薄いしあわせ。

軽いしあわせ。

コードの接続部分から今にもちぎれそうな配線コードがのぞいていないしあわせ。

リモコンにクリップがついてるしあわせ。(←前回壊した。)

あぁ,しあわせ。

多分きっと使っていくうちにもっともっとしあわせを発見するのかも。

新年の仕事はじめにむけてばっちり充電もしました。

丁寧に扱うのでこれからどうぞよろしくね。







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