| 2006年12月19日(火) |
「腐女子化する世界」 |
直木賞作家の三浦しをんが「BL好き」をカミングアウトしたのは、ちょっとした衝撃だった。 それを言ってどうしたいのか、と私などは思ったものであるが、同じ直木賞でも、某ベストセラー作家がかつてレディコミの原作者だったことをあまり言いたがらないのと対照的ではある。 タイトルの本は、非腐女子のフリーライターが、腐女子の生態(?)についてレポートしたもの。 時間があるときに詳しく論じたいが、全体として、研究者が書くのと違い分析枠組みが漠然としていて証明過程が大雑把である。「腐女子」ってナニ?という人には興味深い読み物だろうが、社会評論としては物足りなく思った。 7章の雇用形態問題に関してはいいところに目をつけていると思ったが、それと「腐女子化」を繋げるのには(本書の論証では)無理がある。 特に本書では「腐女子」を「オタクっぽい(と筆者が判断した)女性」全体に用いているので、余計に話にまとまりがない印象。 ただ、「もはや女性がライフスタイルを選択することができない現状(格差社会)を受け入れそこで生き抜くため、『嗜好』に生きる『腐女子』化が進む」という命題は、もう少し突き詰めると面白いかもしれない。女性のライフコース、雇用問題とBL(やおい)の変化には、確実に関係があると(勘だよ、勘)思う。2005年3月5日の当日記で『OLたちの<レジスタンス>』という本を参考にBLについて考えたことと併せると何が見えてくるか、考えてはみたいところである。 てか、世界が腐女子化したらどんなにいいか(笑) なお、女性向けと男性向けを「感情移入」云々で区別するのは難しいところがあると思う。「感情」といってもいろんなレベルがあるから。 「共感」なのか「好感」なのか「なりきり」なのかで、全く違う。 ただ、男性向けは「シチュエーションだけ」であり、女性向けは「そこに至るまでのなりゆき」(本書でいう「物語」)を必須とする、という違いは確かにあると思うが。 お求めはこちら
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