相方:「どーもー(以下略)」 覆面:「いやあ、近頃は実に物騒ですねえ」 相方:「ほう、何か事件があったんすか?」 覆面:「ライター使ってガラス割って、窓から忍び込む空き巣が増えてるらしいんですよ。それになんとウチの近所の路上で、若い女の人が、刺されたんですよ」 相方:「マジで? そりゃー怖い」 覆面:「なんか、後ろから忍び寄った男が、ぶっすーと包丁で刺したんですって」 相方:「うわ、酷いなあ」 覆面:「その3日後にね、また若い女の人が、すれ違いざまに男に刺されたそうです。若い女性狙いの通り魔だって、新聞にも載りましたよ。なーんかもう怖くってー、アタシ夜歩けないわあ〜」 相方:「お前は関係ないだろ。つーか、お前が怪しいよそんな覆面しやがって」 覆面:「失礼ですねえ。人を見かけで判断しないで下さいよ」 相方:「そうは言ったってさあ、その覆面は怪しいよ。どう見ても。警察だってお前疑うよきっと」 覆面:「じゃあ訊きますけど覆面レスラーは皆悪役ですか? タイガーマスクも獣神サンダーライガーも正義の味方ですよ?」 相方:「だってお前、正義の味方じゃないだろ。こないだおばあちゃんに道を訊かれて、なんて言ってるか聞き取れなかったのに思いっきり『そうです!』って頷いてただろ」 覆面:「シャイなので」 相方:「関係ない! シャイ関係ない! おまけにそのおばあちゃんが歩き出したらダッシュで逃げただろ。最低な奴だよ」 覆面:「・・・イヤ、あれはあれでよかったんですよ」 相方:「何で? どこがだよ」 覆面:「その後おばあちゃんがダッシュで追っかけてきたので」 相方:「嘘つくな! ダッシュババアかそのばあちゃんは」 覆面:「・・・まあそんな話は置いといてですね。今は男だからって油断できない時代ですよ」 相方:「ああ、通り魔の話ね。まあそりゃあね、そうですけど」 覆面:「だから最近僕、護身術覚えたんですよ」 相方:「へえーそんなことしてたのお前」 覆面:「そう」 相方:「じゃあなんか技やれんの? 見たい見たい」 覆面:「うん、それじゃ、こう、俺の正面から包丁持って襲ってくる役やってみて」 相方:「通り魔役ね。おっけおっけ」 覆面:「俺が、護身術で受けるから」 相方:「よし、そんじゃ行くぞ。おりゃーっ」 覆面:「何のこれしき! ふんっ」(ぱんっ) 相方:「ざく。って、オイ!! 真剣白刃取りじゃ意味ねえだろ!!」 覆面:「(腹を抑えて倒れる)・・・生か死か、それが問題だ・・・」 相方:「苦悩する必要ないから! 死んでるからそれ!」 覆面:「んー今のはちょっとうっかりミスだね」 相方:「うっかりじゃないよ! うっかりで死んでるよ」 覆面:「今度は本気でやるから、もう1回通り魔やって」 相方:「じゃあ今度はちゃんと技見せろよ? おりゃーっ」 覆面:「おらあーっ(反転)」 相方:「ざく。って、オイ!! 刺さってる! 刺さってるよ!」 覆面:「フッ・・・腹を背に変えてみました・・・ごはあっ(吐血)」 相方:「それも死んでるから!! つか、『背に腹は変えられない』って言うけどさ!」 覆面:「つまり『腹を背に変えろ』ってことさ・・・グフッ」 相方:「間違ってる! 絶対間違ってる!」 覆面:「(倒れる)・・・生か死か、それが問題だ・・・」 相方:「苦悩するなってば!」
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