| 2002年08月15日(木) |
「ラ・マンチャの男」 |
観てきましたー。男性客に人気のある公演だとは聞いてましたが、そのとおり。いつものミュージカルに比べ若い女性客の比率がぐっと低かった(笑) わかるような気がします。 筋はといえば、詩人セルバンテスが牢に入れられ、そこで即興劇として「ドン・キホーテ」を演じる、というもの。このアイデアはなかなかいいなーと思いました。今回は松本幸四郎自らの演出だそうで、なるほど、舞台は非常にシンプル。役者中心て感じでした。 あばずれ女のアルドンサが松たか子で、まあ確かにちょっとキャラ的に無理があるとは思いますが(笑)まあそれなりによかったんじゃないでしょうか。ただ、歌は・・・仕方ないですわなあ。地声と裏声の境辺りがアヤシイ。最初ワタクシ、実の娘にヒロイン役ってのがどうにもこうにもイヤだったんですが(笑)ヒロインと言ってもラブシーンがある訳じゃないので、よかったです(笑) あ、カーテンコールではおとーさんのほっぺたにキスしてましたね。仲のいい親子なんでしょうね。 上条恒彦と神父役の俳優さんが芝居も歌も上手くて、神父さんなんでそんなにいい声なのさ(笑)と思いました(笑) あと、散髪屋さんがね、「さん、ぱつ、や」って言いながら「サンペイです」のフリをするんですね(笑) 大笑いしました。松本姉妹はどちらも声が綺麗ですねー。 誰でも、弱いネタというのがあると思います。ある人は動物ネタ、ある人は親子ネタ、というふうに。ワタクシ早瀬はですね、「年寄りネタ」に弱いのです(笑) ドン・キホーテってじいさんじゃないですか。もうね、「くうーっ(泣)」って感じでね(笑) ちょっと泣きました。 でも、元気をもらえるミュージカルですね。アルドンサのその後がちょっと気掛かりですが・・・(笑) 小学生の頃、子供向けにリライトされた「ドン・キホーテ」を読んで、「なんでこの人はこんなに馬鹿なんだろう」と思って、途中で読むのやめちゃったんです(笑) この話はやはり大人向けですね。子供にとっては「現実」は存在しませんから。ドン・キホーテは憐れで、悲しい道化だけれども、じゃあそう感じる自分は彼よりマシな人間だと断言できるか、というとそんなことはない訳で、道化として死んでもいいよな、たかが人間だもんな、とか、ネガティヴにではなく、清々しくそう思っちゃう。 「萌え」ではないけど、またいつか観たいなと思う作品でした。ナンバーでは、病床のキホーテにアルドンサが歌う「ドルシネア」(リプライズ)が切なくて好きです。
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