2002年04月18日(木) |
『性非行少年の心理療法』(針間克己・有斐閣) |
病院に健康診断に行ったら、血圧が過去最低値を記録しました(笑) 58-91ですって。「低いですねえ」と看護婦さんも苦笑。 まあ体重も微妙に減ってたのでよしとしよう。 それにしてもどうしたら血圧って上がるものなのかしら・・・(泣) さて、↑の本を「青少年有害(以下略)法案」や都条例に関連して読んでみました。まあ、“彼ら”はそもそも青少年と性とを隔絶させておくべきだと考えているフシがあるので、「強姦や強制猥褻をしなければいいじゃないの」というレベルでは話が噛み合わないのですけれども。 本書はまず、「性非行の責任は行なった本人にある」とし、「性非行を減らすには性非行を行なった本人に対して治療を行なう」ことが重要であるとしています。 アメリカの先行研究や日本の事例を引きながら、性非行は計画的な犯行であり(従って「出来心」とか「衝動的」という弁解は否定されます)、特定の性的嗜好の実行であること、その基盤に性に対する誤った考えや対人コミュニケーションにおける強い自己中心性と支配欲が見られることなどが示されています。そして性非行少年のタイプ分類として7つ上がっているんですが、特徴の幾つかに「社会的能力が乏しく、社会的に孤立している」「自己評価が低い」「怒りの感情表出が下手である」・・・ってそりゃあたしか?!っていう(笑) 宮台真司氏が言うところの「脱社会的人間」やそれに準ずる広範囲の人々に見られる「コミュニケーション不全」と似たものを感じます。他者への共感性の欠如、「自尊心とプライドの乖離」(宮台氏曰く)。 コミュニケーションは大事です。しかし「人間はこうでなくては」というのは、学者などという偉くて遠い誰かが決めるものではなくて、親しい人、好きな人との関わりの中で自分が選択するものであった方がいいと思うのです。そこに、心理学絶対主義的な傾向への懐疑が生まれたりする(社会学者に多い)のですが・・・なかなか、難しい問題です。 例えば、「治療」として「健康なセクシュアリティ」概念を持たせることが挙がっています。「健康なセクシュアリティ」って何でしょう。それは確かに「治療」であり、再犯を防ぐためには必要に違いない。でも・・・最初から「これが健康なセクシュアリティだ」と決定されているのも、どうなんだろうか。 ここでふっと思い出しましたが、10年程前に足立区で女子高生が殺されてコンクリート詰めにされるという事件がありました。複数の少年により拉致され監禁され輪姦され暴行された挙句の死亡という、まったくもって酷い事件でした。その共犯者の少年の一人が、こう言っていたそうなのです。 「ナンパというのは、強姦のことだと思っていました」 この少年の家庭は非常に性に対して厳格だったそうです。 ナンパと強姦の区別もつかないような「厳格」って何なのでしょう。
・・・うーん、まだうまく考えがまとまりません(汗)
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