最近つぎつぎにできるイオン。
もちろん、あたしたちも愛用してる。
ご飯食べたり買い物したり。
ファミリー多い。
のちのちには子どもとあなたと一緒に
イオンとかいったりして
買い物とかしたりして
子どもがお菓子とかねだって大変で。
そんな妄想繰り広げながら。
駐車場に向かうエレベーターで
買い物のカートを押した家族連れが何人も乗ってくる。
あれ??
見たことある人。
それが誰かって気付いたときには遅くて
もう顔が熱くなってて
きっと周りから見たら赤面してたんじゃないかってくらい。
あなたは近くの子どもに愛想を振りまく
あたしはずっとあなたの隣で
ぎゅって手を握ってて
あなたにくっついて。
そうやって動揺してることを隠してた。
アノ人に。
もちろん、気付かれないように。
ファミリーはエレベーターをおり
エレベーターに残されたのはあたしたちだけ。
「どうしたの?」
あなたが聞くから
実はって話した。
「おっさんだったじゃん」
そうだね。
今思えば
どうしてアノ人だったんだろう。
単なるおっさんだった。
そりゃそうだ。
だってもう37歳だもの。
あれからもう5年。
あたしもいい歳。
ハタチのあたしは
32歳の大人が
とっても素敵に見えたの。
すっごい大人に感じたの。
自分が都合のいい女になってたなんて
そんなこと知らなくって。
ねえ。あなた。
アノ人は単なるおっさんになったけど
あなたはもっと素敵なおっさんになれるから。
あたしが保証するから。
だからずっと一緒にいよう。
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