月。
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あの頃の私は 今までの中でいちばん 素直だった
彼の欲求に 応えることが愛情だと 彼の望むことに 従順になることが愛情だと そう 思い込んでいた
彼の悦ぶことは何でもしたかった
彼女を送った後に 求められれば応えた 彼女が隣で眠っていても 求められれば応えた 彼の望むことは 何でも 何時でも 何度でも
好きだったから
その呪縛から逃れられたのは 随分経ってからだった
ごく単純なこと
私に好きな人が出来たからだった 彼に以前ほどの魅力を感じなくなったからだった
今でも連絡を取ることはあるけれど もう 気持ちは揺らがない もう 彼を受け容れることはない
今日は彼の誕生日だった
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