月。
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2002年04月23日(火) 瞳。

吸い込まれるように
彼の要求に応じていた自分に
不思議と一度目に感じたような嫌悪感はなかった

酔ってもいなかった
ぬくもりが欲しかったわけでもない
ただ彼が欲しいと思った

ずっと このままで居たい と思った

抱かれている間
彼の腕の中にいる間
彼の指と私の指が絡まっている間

私を必要としている彼を 愛おしいと思った

自分が女であることを思い知らされる
けれどその感情は嫌悪ではなかった

でもほんとうのことを言えない自分

ほんとうのことを言ったら
彼が今以上に苦しむことをわかっているから
だから彼と一緒に居ることは許されない
これ以上彼を好きになってはいけない

まだ気持ちを抑えられる自分を不思議に思う
彼のしあわせを願える自分で在りたい

偽善と言われてもいい


杏 |MAIL

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