鬱血した跡はいつも数日間だけしか身体に跡を残してくれなくてそれが消えることがとても寂しかったいつだったか彼が本気で私を抱いたときいつもならどんなに身体に跡を残したくても残ることは有り得ないのに彼は私にひとつだけ跡を残した彼の尖った犬歯が付けた首筋に或る小さなホクロそれが私の身体の中で いちばん愛おしいものだなんて 彼は知らない