愚痴日記

2002年10月26日(土) 覚悟

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 なぜ 私はここにいるのか・・・
 でも ここが何処なのかはよく分かっている
 そう 娘の部屋
 ドラえもんの どこでもドアがあったわけでもないのに
 なぜか私は今 娘の部屋にいる
 まるで 泥棒に入ったみたいに心臓が大きく高鳴り
 この部屋の特徴を見逃すまいと必死になっている
 見覚えのあるものはほとんどないけれど
 懐かしい娘の体臭がかすかにして
 この部屋が娘の部屋であることは間違いない
 娘は少女趣味ではなかったはずなのに
 なぜかかわいい小物であふれていた
 そのくせ ふとんカバーだけは薄いダークブルーの渋い色あいのものだ
 冷蔵庫の中には こまめに料理をしているらしく
 ラップのかかった皿や小さい野菜の切れ端があった
 
 でも 早くこの部屋を出て行かなければ・・・
 どうしてこの部屋に入ったのか分からないし、鍵も持っていない
 とりあえず白いドアを開けて外に出たら
 まるで どこかのブチィックのような感じで
 白いペンキを塗った椅子があり アートフラワーが飾られている
 場違いのところにいるとまどいを感じていたら・・・・

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 目覚ましが現実に引き戻した
 私の願望がけったいな夢になった

 私が日常的に感じている寂しさをきっと、きっと娘も感じていると思う
 でも あの子はそんな感情には気が付かないふりをして
 なにくそ!という気持ちや
 親を恨む気持ちに置き換えていると思う・・・
 
 中里恒子著「中納言秀家夫人の生涯」という本を思い出している
 戦国時代 宇喜多秀家夫人で前田利家の娘だった豪姫
 15歳で結婚して 33歳のとき八丈島に流刑になった夫と
 生涯生き別れのまま 61歳で歿している
 その豪姫の臨終の折の心残りを慰めるため
 前田家が代々、八丈島へ米、衣類、金子を送り続けた
 それは明治の恩赦まで続けられた
 私は自分の身に置き換えて
 それこそ20年先か、30年先か
 「最後にもう一度 娘の顔がみたい!」と 死ねずにいる
 頭がおかしいと言われそうな
 たとえようもない話だから 誰にも話せないが
 それくらいの覚悟が娘にあるように思えてならない








 
 


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