ふと、晩御飯の準備を手伝っている時、家族があること、子供がいることが、こんなにも嬉しいことなのか、と感動した
ふと、スポーツを通じて小学生の成長を観られることが、こんなにも深い感銘を引き起こすのか、と驚いた
ふと、自分の能力の開花ではなく、子供の能力の開花が、こんなにも高ぶりを覚えることなのか、と気づいてしまった
彼の人は、どうしていることだろうか
私が出逢った時、彼の人はこれら全てのことを知らなかった
隔絶した世界にいた
自分の家族に反発しながら縛られ、他人の成長をねたみ、自分の能力の開花と社会的地位の向上しか、肉体に入っていなかった
私も同じだったのだ
私は、こうなった
彼の人は、どうなったのだろう
冬が払われていく梅の季節、どうしても頭をよぎるのは、彼の人のことだった