朝の通勤、通学でにぎわう道路わき
うつむき姿が、あなたとそっくりだった
驚きを、心のことばが打ち消す
「もう終わったのだ」
から
「もう10年以上が過ぎたのだ」
へと心のことばは変わったけれど
今のあなたを見ないのは、過去もあなたを見ていなかったから
あなたの個性を見ていなかった
あなたの持つ黒髪、白皙(はくせき)、筋の通った小鼻、割と低めの声 を見ていたから
同じ属性を持つアイドルの写真を集め、動画を見て、夢中になって胸を焦がしていた、そんな恋だった
あなたを見ていなかったから、あなたに夢中になった
まさしく哲学用語のアイドル(idea)ような、完璧な理想像をあなたの中に追い求めた
完璧な理想像が、現実世界に存在しない、と想定されている
あなたの中にある理想像に反する部分を、私はひたすら黙殺した
そうして続いったのだった
理想に反する部分にふたができなくなって離れた
ずるい私は「あなた自身が離れる」と想わせた
朝の通勤、通学でにぎわう道路わき
うつむき姿が、あなたとそっくりの人をみるだろう
私は幸せだ
理想像を手に触れられないアイドルに投影するのではなく、
血肉をもった白皙の君を想い出すのだから
そうして、私は、通勤者の群衆に埋没するのを受け入れられる
付記:「白皙の君へ�供廚�2008年06月15日(日)です。
http://www.enpitu.ne.jp/usr7/bin/day?id=75000&pg=20080615