貴方は、毎日電話で「好きだよ」と言ってくれる。
貴方は、今まで1度も大声を出した事もないし、嘘も暴力もなかった。
日曜日の午後1時半。
面白いTVもないし、漫画もないし、本を読むのは何だかめんどくさい。
なのに貴方は、用事だと言って出て行ってしまった。
携帯にしても電源が切られている。
貴方は、毎回会うと「好きだよ」と言ってくれる。
けれど、今は私の側に来てくれない。
忙しいのは分っているけれど、私が貴方を愛しているのに答えてくれない。
そうだ、貴方は私のことを好きだけれど、愛してはくれないのね。
けど、この前ショウインドウで見たあの服を買ってくれたら我慢(がまん)してあげてもいいかな。
プラチナのリングでもいいかな。シャトーマルゴーのワインでもいいかな。
それなら、貴方が好きなだけでも許してあげる。
執筆者:藤崎 道雪