砂肝

2005年04月10日(日) 映画 ロング・エンゲージメント感想

というわけで、見に行ってきました。
ロング・エンゲージメント。
ジャン・ピエール・ジュネ監督の最新作です。
(公式ページはhttp://long-eng.warnerbros.jp/)

宣伝を見て気になっていたという母と一緒に。
そういえばジュネ監督の前作「アメリ」も母と一緒に見に行ったんでした。

戦場で行方不明になった恋人マネクはきっと生きている。
恋人になにかあったら絶対にわかるはず。
そんな自分の直感を頼みに、恋人の行方を追い求める女性マチルドをオドレイ・トトゥが演じています。
見に行く前は、恋愛映画かなーと思っていたんですが。
恋人が戦場で失踪するのが前提なんですから、ある意味戦争映画でもありました。
いきなり冒頭からすさんだ戦場の様子が描き出されてちょっとびっくりでした。
(しかし、冒頭で紹介が出てくる数人はあとで重要な役割を果たすので、じっくり見ておいた方がよいかと思います)

物語は、戦場の様子(ほとんどが人からの伝聞)と、マチルダが叔母夫婦と住むこぢんまりとした農家とその生活ぶり、マチルダ自らが出向き、戦場でマネクにかかわった人を探す旅が、交互に描きだされます。
あと、謎の映像もときどき挿入されます。

マチルドは小児麻痺を患っており、片足がやや不自由なのですが、そのハンディキャップさえ時には武器として、必死で恋人の行方を探す様子は、思いがけないほどの強さと愛情の深さを感じさせます。

マチルドの周りのひとたちも実に人間的で、マチルダの身を案じている様がよく伝わってきました。

また、戦場という極限状態のなかで、沢山の人がそれぞれの思惑で動くため、もつれていた状況と真実が、次第に明らかになっていくのは、なかなか
スリリングでした。
原作は有名なミステリらしいですね。(セバスチャン・ジャブリゾ「長い日曜日」http://www.bk1.co.jp/product/2528421)
ちょっと読んでみたくなりました。

映像美はさすが、ジャン・ピエール・ジュネ監督で。
悲惨な戦場も、のどかな農園風景も、マチルダの女性らしい部屋もそれぞれが見事に描き出されていました。場面によっては息を詰めて見つめてしまうほど美しいです。ラストシーンも良かったです。

あと、15禁なので、お若い方はご注意くださいね。









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夏野 [MAIL] [HOMEPAGE]

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