サズカリ  おとうさんがつける、子供たちの成長記録
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うちのサズカリたち = かい♂13歳(1998/11生) + みー♀11歳(2000/9生) + あー8歳(2003/9生)


2007年05月28日(月) 桑の実騒動

 −−−−− Episode 1 夕方、母とかい

かいが息を切らせながら帰ってきた。

「お母さん、早く!早く! クギと紙コップ!」
「えっ? 何するの?」
「ケンちゃんちで、桑の実ジュース作るの。ぼくはクギの係で、ショウちゃんが木の係なの。」
「?? ジュースになんでクギ?」
「いいからいいから、早く早く!」

かいはクギと紙コップを受け取って、飛び出していった。

 −−−−− Episode 2 夜、父とかい

「お父さん、今日ぼく、ケンちゃんちで、机作ったんだあ」
「机? どうやって?」
「木で。」
「木? 釘打って?」
「そう。ネジくぎで。」
「・・・ネジ釘で作れんの? すごいね。誰か大人がいたの?」
「ううん。いない。」
「怪我とかしなかった?」
「大丈夫だよ。」

 −−−−− Episode 3 夕方、母とかい

再び汗だくになったかいが戻ってきた。

「お母さん、ネジくぎじゃだめ、ふつうのクギちょうだい!」
「あんたたち、何してるの?」
「机作るんだよ。」
「机? なんで?」
「ジュース売るんだよ。机の上で。」

 −−−−− Episode 4 夜、父とかい

「なんで机作ることになったの?」
「お金もうけたの。お母さんから5円もうけたの。」
「5円ねえ。・・・なに売ったの?」
「教えない。」
「・・・(かいの話は、よくわからん)」

 −−−−− Episode 5  夕方、ケンちゃんママと子供たち

「よーし、ジュース絞るぞお!」
「ちょっと、このビニール袋、きれいなの?」
「大丈夫だよ、先生が使ってないのくれたんだから。なー」
「なー」

いきなりビニール袋の上から桑の実をぎゅむぎゅむ絞る子供たち。
絞り終えた赤紫の液体を紙コップに注ぐ。

「ちょっとー、あんたたち手も洗わないでやるの!?」

子供たちは販売企画を練る。
「これ、いくらで売る?」
「100円!」
「100円だな!」

 −−−−− Episode 6 夕方、ケンちゃんちの前

近所の小さい子が買いに来る。

「ジュースちょうだい。」
「はい、100円です。」
「ケン、小さい子はお金持ってないんだよ。タダであげなさい。」
「・・・じゃあいいよ、はい。」

ジュースをもらったその子、家に帰って、またやってきた。
手には紙で作った100円玉。

 −−−−− Episode 7 夕方、母と子供たち

「かいくんのお母さん、これ買ってよ。」
「えー、いくらなの?」
「100円!」
「100円!」
「えー、ちょっと高いなあ。」
「じゃあ、10円。」

「しょれ、しゅごくしゅっぱいよ。」
そばで見ていたさっきの子が口を出す。

「酸っぱいってよお。5円でいい?」
「うーん、じゃあ5円でいいよ。」
「ありがと。あとで家まで届けてね。」
「うん。」

 −−−−−− Episode 8 夜、母とかい

「5円、誰が持ってるの?」
「ケンちゃん。でもひとり占めじゃないよ。ジュース売って
たまったら、みんなでお菓子買うんだ。」

 −−−−−− Episode 9 夜、ケンちゃんママとケンちゃん

「桑の実ジュースじゃ、売れないんじゃない?」
「じゃあ、グレープフルーツにする。庭に種植えておけば、来年とれるじゃん。」

 −−−−−− Episode 10 夕方、うちの玄関

いつの間にか玄関に届けられた紙コップ入り桑の実ジュースが、
いつの間にか倒れていて、うちに来ていたマリちゃんの靴を
赤紫に染めた。


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