2004年08月16日(月) |
フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』 |
孤独だなあ・・・・淡々とした孤独です。 上流階級の人々の豪奢で優雅な生活が描かれながら、その誰もが孤独なのです。
お風呂で読んでいて、私まですっごく寂しくなってきてしまいました。
なぞに包まれた邸宅の主ギャッツビーはただ一人の良家の子女を自分のものにすることだけが望みでした。 そして彼女は愛のない結婚生活を絢爛豪華な社交で紛らわせています。 主人公ニックは夢を抱いて東部に出てきたものの、東部の社会になじめない自分に劣等感と居心地の悪さを感じています。
唯一の救いは、最後の最後で芽生えたギャッツビーと主人公との友情でしょうか。 かなしいにゃあ。
それにしても、私は野崎孝さんの訳はまったく苦手だと改めて実感しました。
『ライ麦畑でつかまえて』のときもだったんだけど、わかりにくいと思うのは私だけなのかなあ? まず、変に口語っぽい文体が、かえって違和感を感じさせるんです。 例えば、良家のレディに 「あたし、あんたをあたしの食卓にお招きできてほんとにうれしいのよ、ニック。」 なんてはすっぱな話し方をさせています。
それから、叙述が婉曲的というか、まわりくどくないですか?
|