2016年08月21日(日) |
彼女に関する十二章 中島京子 |
中島京子 中央公論新社 2016
STORY:
五十歳になる聖子は更年期。一人息子の勉は大学院での研究のため家を出ており、夫と二人暮らし。毎日平凡なようでいて、驚くことばかりが続く日常を描く。
感想: 聖子は更年期で、生理があがったかを気にしつつ毎日を過ごしている。体は冷えないように対策もばっちりしている。
一人息子の勉は家を出て、夫と二人暮らし。
夫が60年前の「女性論」を参考に現代の女性論を書いてほしいという依頼を受け、聖子もそれを読んでみるのだが、考えさせられることばかり。
聖子は経理のパートをしているのだが、ある日、別の会社へ出向し、毎日仕事をすることになる。
突然、かつて小学生時代にひと夏を過ごした男性が死んだという知らせが息子から届き、その息子と会うことになったり、別会社で、「調整さん」と呼ばれるお金を使わない生活を目指す男性と出会ったり…。
聖子と夫の守との会話もおかしくって、読みながら吹き出しそうになるところも。
また、息子の勉が女性に興味がなく、この先一人で過ごしていくんではないかと思っていたのに、ある日突然、自分の理想とは全く正反対の女性を連れてきたりして、その日からまた別の悩みが生まれたり…。
何か大きな出来事が起こるわけではないけれど、日常の出来事が面白く描かれていて、なかなかよい味を出していた。
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