感想メモ

2005年11月04日(金) 野ブタ。をプロデュース  白岩玄


白岩玄 河出書房新社 2004

STORY:
自分をクラスの人気者に演出している修二。いじめられっ子の転校生信太を人気者にプロデュースすることにして・・・。

感想:
 今、テレビでドラマ化されているものの原作本。しかし、テレビとは設定も話もかなり違う。こちらはプロデューサーは修二一人。転校生も男子である。

 いじめられっ子の転校生を人気者にしていく過程はなかなか面白い。しかし、この本はそこで終わりではない。その先がこの作者の言いたいことであろう。

 ネタバレになるので、詳しくは書かないが、終わりまでを読んで思ったことは、一度貼られたレッテルをはがすのは相当難しいのか・・・ということである。いじめられっ子を人気者にというのは、いじめられっ子の性格も悪くなかったからだと思うのだが、何とかうまくいった。それができるのであれば、もう一度悪評を払うべく一から人間関係を築けばよいのではと思うのだが、それをせずに主人公が選択した道というのが、現代の高校生を象徴しているのだろうか・・・とちょっと思ってしまった。

 一から演出しなおす方が、失敗して転落したところからもう一度人気を取り戻すよりも、簡単ということなのかなーと・・・。


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