2003年12月20日(土) |
からくりからくさ 梨木香歩 |
梨木香歩 新潮文庫 2002
STORY: 染色の勉強をしている蓉子は祖母が亡くなったためその家で下宿人とともに暮らすことになる。マーガレット、紀久、与希子の3人とともに、質素な暮らしを始める。幼い頃から話し相手だった人形りかさんは祖母の死後、様子が変わってしまっている。蓉子はりかさんにまつわる謎に次第に迫っていくが…。
感想: 何だかものすごく読むのに時間がかかってしまった。「りかさん」を読んだときもちょっと思ったけれど、やっぱり歴史とか機織とか色々な要素が詰まっていて、理解しながら読むのには時間がかかる。ゆっくりとしか読めない本というのがあると思うけど、これはその類の本だ。でも、図書館で借りているので、期限内に読まないとと思ったりすれば荒い読み方しかできないのかも。一度読みきれそうにないので返して、再び予約を入れてようやく借りたものの、やはり時間がかかった。
つまり、時間がかかるというのは背景が難しくわかりにくいということでもある。特に同居している2人の日本人の子たちの特徴がいまいち飲み込めず、またその他出てくる男性陣も誰が誰だったっけ?などとちょっと思って前に戻ったり色々してしまった。私が読解力がないだけなのかもしれないのだけど。
作品の最後の部分で盛り上がるところがありそこは面白かったのだけど、親戚とか血のつながりとかの部分で結局誰と誰がどういう関係なのかというのがあまりよく理解できなかったのが残念だった。でも、多分きちんと読む人にとってはわかるんだと思うけれど。
こういう難しめの本はずっと読んでいなかったのもあって、頭がついていけない部分もあったのかもしれない。この本は結局延々と受け継がれていくものみたいなものを象徴していたのかなと思った。けど、ちょっと重ためだったので、もうこれでいいかななんて思ってしまった…。やはり私はこの人の本が無条件で好きであるというわけじゃないなと思った。
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