感想メモ

2003年12月02日(火) 夏のロケット  川端裕人


川端裕人 文藝春秋 1998

STORY:
高校時代にロケット作りに熱中していた新聞記者高野は、過激派のミサイル製作者が爆発により重症を負った事件を追ううちに高校時代の仲間たちと再会し、ついには昔の夢を実現させるべく彼らと行動をともにすることになるが…。

感想:
 この本は文庫版が出たときに書店で結構宣伝されていて、その宣伝文句が非常に面白そうな感じで読みたいなーと思っていた本だった。しかし、実際に読んでみると結構難しくてすんなりと読める本ではなかったのがちょっと残念だった。

 宇宙とかロケットとかそういうものが好きな人なら楽しめるかと思ったけれど、かなり科学的に解説が加えられていたりするので、その部分で乗っていけないと結構つらい。私は段々そういう説明部分は読み飛ばすようにしてしまい、ストーリーを追うような感じにしてしまった。多分、この科学的な部分がこの本のよいところなのだとは思うけれど、私のような文系の頭にはちょっとついていきがたいものがあった。

 それから、登場人物がとてもわかりにくい。仲間たちの描写がないわけではないのだけれど、最後まで誰が誰なのかちょっとわかりにくかった。特徴がなさすぎるわけでもないと思うし、やっぱり高野の視点で描かれすぎていて、その背景とかがどうも頭に入ってこなかったということだと思う。

 ミサイルとロケットは同じ原理で…とかそういう部分はなかなか面白かったのであるが、やはり話としてはちょっと難しく書きすぎている部分があったし、最後も最初のシーンとつながらないような気もしたりして、あまりよい作品であるとは思わなかった。


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