感想メモ

2003年05月19日(月) 闇が呼んでいる  赤川次郎

2001 幻冬舎

STORY:
仲良し4人グループは、自分たちの犯した罪を免れるためにクラスメートの男をレイプ犯に仕立て、彼と両親を自殺に追い込む。その後、事件はうやむやになる。数年後、大臣の父を持つ美香は一児の母となり、小百合は大物政治家の愛人となり、さとみはテレビ局のアナウンサー、敦子は大学の講師と、皆それぞれ幸せな道を歩んでいた。しかし、そのとき死んだはずの男の名前で手紙やFAXなどが届き始め・・・。

感想:
 ものすごく久しぶりに赤川次郎を読んだのだけれど、今までとは作風がちょっと違うような気が。もっとすぐに読めるかと思っていたのだけれど、案外読み終わるまでに時間がかかったのは、もちろん分量が多かったというのもあるとは思うのだけれど、作風がちょっと違うからかなとも思った。何というかもっとユーモアミステリーみたいなイメージがあったので。

 この話はもっとドロドロした話で、所々ユーモアっぽい表現(赤川次郎っぽいというのかな)が混じるものの、どっちかというとシリアスな人間模様を描いた作品だったかもしれない。

 それにしても大臣とか政治家というのは、今でもこのような権力をもっているのだろうか? だとしたら、すごいなーと思う。多少そういうのって残っているのかもしれないけど、今ってこういうことがすぐにスキャンダルとかになってしまいそうだけれど。

 自分の幸せのために他人がどうなっても構わないというような美香の強さ。ある意味すごいかもしれないと思ったけれど、やっぱり不幸なのかもしれないなーと思った。


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