楓蔦黄屋
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冷やすってことも必要なんじゃないかと思い始めている。
PMSの時期は胃の腑が溶鉱炉のようにドロドロと熱くなっている。 それに気づくのはたいてい爆発してからだ。 「情けないことに」ってつけ加えたほうがいいのかな。でも情けなくはないしな。 「完璧ではないことに」のほうがいいな。
「怒るのがヘタでごめんね」と子に謝ったら 「別にいいじゃんヘタでも」 「怒るのが上手ってのもそれはそれで何かヤじゃない?」 「人間てそんな完璧じゃないでしょ」 って言われた。びっくりした。 基本的に子は親よりも賢いものだと思ってるけど、それにしたってこいつ賢いなー、と思う。 この頃とみにそう思う。
元気に生きててくれてありがとうといつも思うが、 私がのんきにそれだけを思っていられるのは 彼が、元気に生きていてくれてなおかつ それ以上のことを常に自分に課して実行している結果だと思う。
私みたいな欲張りで贅沢で器の小さい者が 「元気に生きてるだけ」の子を 本当にそれだけで尊べるだろうか。 生まれたばかりの子ならいざ知らず。
それもこれも彼が懸命に毎日を生きてくれているからだ。
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話がそれた。
子どもを授かった周辺の時期はとにかく 身体を温めることに心血を注いでいたが、 更年期も少しずつ見えてきた今 「熱しすぎた胃の腑を冷やす」ことは大切なんじゃないかと思い始めている。
別に特別なことをするわけではないが 自分が煮えたぎってくる時期はたいてい眠れない。 そんな夜にはひとりベランダに出て呼吸をする。 眠気がやってきてくれる。
その時間を楽しくするために、最近ポップアップ式のテントまで買った。 幸いにも我が家のベランダは広く、見上げれば空しかなく、 付近にも夜中に騒ぐタイプの不届き者がいないので (自分がそうならないようテントの設置時には気をつけなければならないが) 落ち着いて夜の時間を過ごすことができている。
これもベランダのテントの中で書いている。 億劫がって靴下をはいていないので 3月の夜の空気に足のほうが冷えている。 冷やしたいのは胃の腑なんだが、まあいいや。
花粉のせいで鼻もぐじゅぐじゅ言い始めたが、それもまあいいや。
楓蔦きなり
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