宿題

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2007年02月11日(日) 悪童日記(6月2日)/水道橋博士
松本さんは、最近のインタビューでも、しきりと、
6年前のフジテレビの「ごっつ特番」が、
視聴率9%に終わったことを口にする。
あの番組が、テレビコントの作品性として、
一種の到達点とも思える出来であったのは間違いないだろう。
その賞賛がありながら、
逆に言えば、91%の"大方日本人"に、
無視されたことの恨みを、忘れないのだろう。

俺が出演した『すべらない話』の打ち上げの時、
もう大方、撮了した段階で、松本さんに対し、

俺は、 10年前の『ビジュアルバム』で、
既に世界でも通用する映像作家であることは、 証明済みであること、
映画の才能とは作品の点ではなく作品群の線であることを、伝えると、
「でも今回の映画が、それでも、無視されたらどうする?」と問い掛け、
二人同時に「次に撮ればいいんですよ」
「次を撮ればいいんやな」と同時に答えた。

きっと、この時の思いは、どんなに映画が上出来でも、
91%の"大方日本人"に、無視されることがわかっていたからだ。

確実に映画は当るだろう。
しかし、それだけ多くの人が見れば、
公開後の評価は、"否"の大合唱も大きくなるだろう。

カンヌで、殿は松本さんに、
「3本くらいは、めちゃめちゃ叩かれる。
 そんなことは気にするな。そして映画を撮り続けることが大事。
 最低5本は撮ってくれ!」(週刊プレイボーイ誌より)
とアドバイスしたという。

きっと、松本監督は、確信を持って、次回作へと進むだろう。
選ばれた才能を持つ人の永久運動が始まる。
映画は、本来、宿命的に選ばれた才能が生み出すタモマノだ。
その『監督(誕生)バンザイ』を俺は思うのだ。


★悪童日記(6月2日)/水道橋博士★

マリ |MAIL






















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