一般の客とは違う、二階のエントランスがわれわれ取材陣の席であった。 そのせいか、音があまりよくなかった…… ここはライブ用には設計されていない美術館であったので、 一般の人々のいる下の方がよく聞こえたに違いない。 立ち見ではなく、われわれには椅子が用意されていた。 そして手摺が目の前にあった。 それに寄っかかり、僕は寝てしまった。 ライブの最中はほとんど…… ヒプノティックな音の波状攻撃であったせいもあるが、 あと精神的に参っていてとても疲れていたからなあ……。 帰りにヨシミちゃんの子供を見た。 ぶかぶかの服を着てて、相変わらず可愛らしかった。 ライブを観る前から、そのように感じるのはわかっていたけれど、 一言で言えば大竹さんもヤマンタカさんも羨ましいなあ……ということ。 のびのびしてて自由だなあと、誰が見てもまず感じる単純なことを、 僕も思うし、何のプロ意識もないから素直にそれを書く。 実際には彼らだって大変なことの連続なのかもしれないけれど、 少なくともやりたくないことだけはやっていない。 このような抜けの悪い音を、ダラダラと堂々と演れるのは 本当に羨ましいことだと思う。
★en-taxi vol.16/中原昌也★
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