坂本 僕はね、きっとね、大森さん出現以前は、 オオカミ少年みたいな感じだったと思うの。
今井 教授が?
坂本 うん。
糸井 (笑)人間の言葉をしゃべらない。
坂本 裸足で歩いてるような。 それがね、仕事を頼む前にね、大森さんが、僕のことを、3回くらい、 ぱって呼びつけたり、どっか行ったりとか、ちょっと調教してたんだよ。 僕のことをね。
糸井 大したもんだねぇ。
坂本 大したもんでしょ(笑)?今から考えると。 それは、僕は調教されたなんて感じてないけど。 ある日、何かやってて、一緒にタクシー乗ってて、赤信号で止まった時に、 僕がね、勝手に飛び出してって、そこにある牛丼を食べに行って。 牛丼屋があったの。そこに。ぱっと見たら。 おなかすいてたんで(笑)、タクシーに大森さんたちを残してさ、 牛丼食べに行って。
糸井 くくくくく(笑)。
今井 それおいくつくらいの時ですか? 教授。
坂本 26、7じゃないですかね…。
糸井 ジャージ以下じゃないか!
坂本 (笑)あ、そう、ジャージ以下。 食べて、また乗ってきたっていうね(笑)。食べるの早いですからね。
糸井 いい話だね!
坂本 たぶん、オオカミ少年みたいだったと思う。
糸井 けだもの。
坂本 そうそう。まだ人間の言葉しゃべってない。
★矢野顕子について/坂本龍一×糸井重里×今井栄一★
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