「おわらない夏」は「おわらない愛」に溢れていた。 素晴らしかった。 世界は悲しい出来事に満ちている。 情けないけれど、この僕もときどき哀しみに満ちている。 でも、四一歳の怠惰な人間が夢見る「おわらない愛」が 確かにこの世に存在してるってことが、どれだけ僕を励ましてくれたことか? 嘆き、諦め。 あるいは何でも他人のせいにするってことはいつもたやすい。 でも例えば、オノ・ヨーコさんが「Yes!」という言葉を語るときの響き。 すべての差異や矛盾、そして批判を受け入れ、 その上で「Yes!」という肯定の言葉を発するとき。 僕のようなへタレにとっては、「おわらない愛」が この世に存在することへの確信が必要なのです。
★おわらない夏とおわらない愛/山口洋/山口洋★
|